研究課題/領域番号 |
01540329
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 秀文 東京工業大学, 理学部, 助手 (80108191)
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研究分担者 |
斎藤 和男 山形大学, 理学部, 助教授 (80125765)
河野 長 東京工業大学, 理学部, 教授 (20011596)
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キーワード | 火山岩 / 蔵王火山 / 永年変化 / 帯磁年 / テリエ法 / 年代決定 / 地磁気強度 / 地磁気逆転 |
研究概要 |
1.火山岩試料の採集のために蔵王火山にて調査旅行を行い、中央蔵王にて13サイト、蔵王滝山にて3サイト、合計129本のコアを採取した。また年代決定用のより大きな岩石試料も採集した。 2.交流消磁と熱消磁による残留磁化の測定を行ない、古地磁気方向の測定を行なった。過去200万年間の地磁気永年変化について、時間間隔は堆積物などによる過去2〜3万年の研究に比べて荒いが、かなり連続した記録を得ることができた。永年変化の大きさはもっと古い時代のそれと大差ないことがわかった。 3.既存の熱消磁炉を使用した、テリエ法による古地磁気強度の実験を実施した。購入したバ-ティントン社製高温測定用加熱炉MS-2Fを既存の帯磁計系MS-2と組み合わせて、岩石の磁気的性質の加熱による変化の研究も平行して実施した。この強度の実験は溶岩の種類によっては、非常に注意深い実験を行わないと誤った結果が得られることも判明した。これらの基礎的成果に基づいて、多くの古地磁気強度が求められた。過去200万年間の地磁気強度の変化は、非常に長周期の変化は見られず、おそらく過去2〜3万年間の変化が繰り返し続いていたものと思われる。 4.山形大では採集した溶岩の年代決定を行なった。特に丸山沢火山噴出物については、古地磁気方向が逆帯磁であるのと良く対応した100万年程度の年代が得られたた。丸山沢火山噴出物のすぐ周囲の正帯磁の溶岩類は年代的に考えて、ハラミオ正帯磁に形成されたと考えられる。 5.得られた古地磁気の強度と方向のデ-タは、日本だけでなく世界のデ-タと比較して、(1)8千〜1万年程度の周期製、(2)地磁気強度は現在の半分から2倍程度までの変化、(3)地磁気逆転時には地磁気強度もわさい、などが過去200万年間についてどうかを現在研究している。
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