研究課題/領域番号 |
01540329
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 秀文 東京工業大学, 理学部, 助手 (80108191)
|
研究分担者 |
斎藤 和男 山形大学, 理学部, 教授 (80125765)
河野 長 東京工業大学, 理学部, 教授 (20011596)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
キーワード | KーAr年代決定 / 古地磁気変動 / 古地球磁場強度 / 蔵王火山 / 大島火山 / 帯磁率 / 地磁気永年変化 / デ-タベ-ス |
研究概要 |
1.蔵王火山の18の溶岩についてKーAr法による年代決定を行なった。年代は100万年以下という非常に若いもので、高精度の実験を必要とするが多くの試料で良い結果が得られた。例外はロバの耳岩で、アルゴン過剰の傾向が見られ信頼できる年代は得られなかった。この岩石の正確な年代決定は今後の課題である。 2.蔵王火山の16の溶岩について古地磁気測定を実施し、ブリュンヌ期〜松山期に相当する古地磁気方向が得られた。溶岩の残留磁化は安定であったが、テリエ法による古地球磁場強度実験では50個の試料のうち27個から4時代のデ-タが得られたに留まった。また帯磁率温度変化などの測定も平行して行ない、強度実験に適した試料を選ぶための岩石磁気的基準が得られた。 3.大島火山にて現代に噴出した1951年と1986年の溶岩について古地磁気測定を行ない、岩体自身による局所的地磁気異常が古地磁気結果にどう影響するか、および古地球磁場強度実験で正しい値を得るかを調べた。地磁気異常は大きいものの、残留磁化方向は問題がないことや、強度結果の平均値は期待値と一致するが、値のばらつきは大きいことが判明した。 4.ブリュンヌ期については蔵王火山と日本の他のデ-タを合わせると、地磁気方向の変動量を表す角度標準偏差は緯度の近い世界のデ-タとほぼ同じてあるが、分布が東西方向に伸びる傾向があった。また過去400年間の観測に基づく永年変化モデル2種類を過去に外挿し古地磁気デ-タと比較した。古地磁気方向の変動量はモデルの予測値よりも2倍大きく、最近400年の観測にない長期変動が古地磁気の結果にはあると解釈できる。 5.世界中の古地球磁場強度のデ-タをコンパイルし、古地球磁場強度デ-タベ-スを完成した。これは地質時代をすべてカバ-し、古地球磁場強度についての長周期変動や地磁気逆転頻度との相関などが以前より明確にわかった。
|