研究課題/領域番号 |
01540331
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
志知 龍一 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50022596)
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研究分担者 |
山本 明彦 北海道大学, 理学部, 助手 (80191386)
古本 宗充 名古屋大学, 理学部, 助手 (80109264)
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キーワード | 重力異常図 / 重力急変帯 / ミリガル / 地質構造線 / 活断層 / フォツサマグナ / 中部地方 / 近畿地方 |
研究概要 |
1.本年度の目標と実績:本研究は、西南日本東部全域の精密な重力異常図を完成し、そのデ-タベ-スの構築によって、任意の範囲で精細な重力異常図が出力出来るようにすることを目的とする。具体的な作業としては、 (1)空白地域での測定の補充、(2)全デ-タの規格化、(3)作図や構造解析用ソフトの完成の3項目がある。本研究初年度に当たる平成元年度には、各項目毎に以下の事を実施した。 (1)測定の補充:志知・古本は、奈良・和歌山・大阪・京都・滋賀・兵庫の各県に跨がる近畿地域および濃尾平野一帯において1819点、山本は、新潟県西部・長野県北部の地帯で217点、総計2036点での測定を行った。さらに本交付金以外の経費による384点の測定をし、これで当初目的としていた測定空白域の1/3が埋めれた。 (2)本研究の基礎となった名古屋大学のデ-タ全てについて細部にわたる点検と統一処理、誤りの改定を完了し、スタンダ-ド化が完成した。他機関のデ-タは殆どの場合何等かの改定が必要である。この内、国土地理院のデ-タについては4800余点の座標読み直しを行い規格化を完了した。その他の機関のものについて、現在スケ-ルファクタ-の改定など細部の作業を行っている。また、既存デ-タの入手に努めている。 (3)将来カラ-出力やフィルタ-操作、構造解析プログラムなとの新たな開発に着手した。 2.得られた知見と成果:以上までで出来た重力異常図は、それ以前の精度不良のままのものに比べると、桁違いに精度の良いものとなり、デ-タが十分そろった地域では、文字通り超精密重力異常図と言えるもである。中央構造線、赤石裂線、阿寺断層などの地質構造線や、活断層が際立ってきた一方、1984年長野県西部地震震源域など地震予知の上で極めて重要な意味を持つ重力急変帯が、各地で新たに見つかるようになった。
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