研究課題/領域番号 |
01540332
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 文朗 京都大学, 防災研究所, 助手 (50027299)
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研究分担者 |
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助手 (40165197)
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キーワード | 後続波 / フィリピン海プレ-ト / 伊予灘 / 微小地震観測ネット / 海洋性地殻 / 下部地殻 / Gaussian Beam法 / Ray Tracing法 |
研究概要 |
伊予灘で発生する深さ数十kmの地震の波形は、初動の後に顕著な後続相を示す場合がある。この後続相の走時や振幅を説明する地殻とフィリピン海プレ-トの構造モデルを推定するのが目的であった。 1.まず、事実の把握を試みた。当該域で最近約5年に発生したM>3.5の地震を、気象庁ファイルから選び、近傍大学の観測網デ-タで震源座標を確認した。発震機構解は、観測点配置が不適当で求め得なかった。 2.地震波形を近傍大学で収集し、ディジタル化して京都大学のデ-タと併せてアレンジ波形表示した。 震源分布や、既報の論文調査から、西南日本下のフィリピン海プレ-トの速度構造モデルを作成した。これに基づき、Ray-tracing法で走時を計算した。観測走時を説明できるモデルは、フィリピン海プレ-ト上面に、厚さ10km弱の海洋性地殻が存在する事を示唆した。また、地震がこの海洋性地殻の中で発生することが後続波生成の必要条件であることも分かった。 4.ガウシャンビ-ム法で、後続相が実際に観測可能な振幅を持つかどうかを計算した。結果は、海洋性地殻が下部地殻と接するような構造があれば、観測可能であることを示した。 5.研究課程で、鳥取での観測を説明するモデルから類推して、高知の下でも海洋性地殻が存在し、それが下部地殻と接している筈であるとの、新しい知見が得られた。 6.モデルでは、海洋性地殻とプレ-トの境界が既報のモホ面より深いと仮定した。これまでの知見とは異なるので、海洋性地殻の存在やモホ面の深さについてさらに研究してみたい。
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