研究概要 |
人工的な地形改変や森林の伐採,豪雨に伴う山腹崩壊等による地表環境の変化はリル・ガリ侵食や崩壊を促すとともに土砂の運搬を通して下流の湖沼や河川の堆積物にも影響を及ぼしている。従って,流域内の湖沼等の堆積物の構造や粒度組成を適当な手法で分析・解析するならばこれまでの土砂移動環境の変遷を復元できる可能性がある。 本研究ではこの観点から明治以降の近代化過程において土地開発や自然災害による土砂移動が著しく,その痕跡が付近のため池等の湖沼堆積物に認められる可能性がある六甲山系を中心とした地域の湖沼を対象として取り上げ,今年度は以下の解析・分析を行った。 1.過去の豪雨災害時に崩壊等が多発し,降水量が最大と見られる地域にある湖沼堆積物の分析を行い,試料中に過去の土砂移動の痕跡を見いだした。 2.過去顕著な豪雨災害を受けなかった地域および最近付近で地形改変が進められている地域の湖沼堆積作の採取・分析を行った。 3. ^<137>Csを利用し各湖沼の堆積物の編年を行い,湖沼間の比較を行った。
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