研究課題/領域番号 |
01540346
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 新 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (10038101)
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研究分担者 |
蒲地 政文 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (70169613)
本地 弘之 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80038538)
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キーワード | 海洋音響トモグラフィ / リモ-トセンシング / 数値シミュレ-ション / 海洋密度構造 / 黒潮 / 東シナ海 |
研究概要 |
海洋音響トモグラフィは、海中に配置した音響送受波器の間の伝搬時間を計測することにより、海中密度構造をリモ-トセンシングする新しい海洋計測法である。現在、中・低緯度の海洋中には音響チャンネルが存在することが知られており、これを利用すれば地球規模の水平密度構造を監視できるようになった。しかしながら、海洋音響チャンネルを利用するトモグラフィ手法では、海洋の詳細な鉛直断面密度構造を計測することができず、この分野での研究の進展が強く望まれていた。本研究では、曳航式のソ-ナ-アレイシステムで黒潮をトラバ-スすることにより、黒潮の鉛直断面密度構造をリモ-トセンシングできる新しい音響トモグラフィシステムを設計した。本システムの最大の特徴は、水深を同時に計測しながら、海底からの反射波を利用して各音線に対する音波の伝搬時間を求めることである。東シナ海陸棚縁辺部の海洋デ-タを使用して、コンピュ-タによるシステムの数値シミュレ-ションを行った。本システムにおけるソ-ナ-アレイは、1個の送波器と200m間隔に並んだ10個の受波器とから構成されている。本年度は、海底が平坦な場合のシミュレ-ションを行ったが、デ-タとして与えた海洋密度場を、前述のソ-ナ-アレイシステムにより精度良く再現できることが確認できた。次年度の研究課題を以下に列挙する。 (1)再生密度場におよぼす水深の測定誤差の影響 (2)任意形状の海底に対するシミュレ-ションプログラムの作成 (3)海中を走行するソ-ナ-アレイの運動が測定精度におよぼす影響 (4)送受波器の個数とシステムの空間分離能との依存関係
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