研究概要 |
人工衛星AMPTECCEによる地球磁場実験デ-タの解析に基づいて。 1.磁気嵐時の磁気圏赤道域巨大電流系の構造 (1)赤道域水平電流系は二成分より成る:環状電流と放射状電流 (2)環状電流はL=4.4-8.8Re範囲で西向きに流れ,強度は真夜中側が真昼側の約2-3倍大きく,電流板1Re中の総電流量は昼間側(9-15地方時)で0.52MA,夜間側(21-03地方時)で0.85MA。磁気嵐時に多発するサブスト-ムの重じゅう効果を反映して,夜側(L=5.6-8.8,22-03地方時)に電流強度の局所的ひずみも存在する。 (3)放射状電流は,午後側磁気圏で地球向き,手前側磁気圏で外向きに流れる。両者の総電流量はほぼ等しく,厚さ1Re中の流量は0.29MA。 (4)赤道域水平電流は,午後側磁気圏で湧き出し,午前側磁気圏で吸い込みを発生して,Region2沿磁力線電流系の源となっている。 2.磁気圏サブスト-ム時の沿磁力線電流系の構造 (1)赤道域夜間磁気圏(L=3.9-9.4Re,18-05地方時)で発生するサブスト-ム磁場変化は,磁場形状の双極子型からの相対的変化と沿磁力線電流系の発達とから成る。 (2)磁場形状は最初双極子型から離反し,次に急速に双極子型に接近。 (3)沿磁力線電流系は,磁場形状の双極子型化開始に約20-30分先行して発生し,その強度は多くの場合,双極子型開始時に最大に達する。 (4)以上は,地上で観測される極磁気嵐の発達過程における爆発相ないしは回復相にかけて,生じている。 (5)新たに確認されたこれらの事実の解釈には,従来のモデルブは極めて不十分で,新たに発生機構のモデルを発表した。
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