研究課題/領域番号 |
01540350
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荻野 竜樹 名古屋大学, 空電研究所, 助教授 (00109274)
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研究分担者 |
岡田 敏美 名古屋大学, 空電研究所, 助手 (90008566)
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キーワード | 太陽風磁気圏相互作用 / 地球磁気圏ダイナミックス / 計算機シミュレ-ション / 電磁流体力学 / 磁気リコネクション / ヘリカルプラズモイド / 磁束ロ-プ / 磁気圏境界層 |
研究概要 |
私達の研究目的は3次元の電磁流体力学的(MHD)シミュレ-ションから地球磁気圏の構造とダイナミックスを調べて衛星観測結果と比較し、更にEXOS-D(あけぼの)及びGeotail衛星で観測されるであろう磁気圏現象の一部を予測して討論することにあった。このためには、目的に合致したMHDコ-ドの開発と改良、ス-パ-コンピュ-タ-を用いた大型MHDシミュレ-ションの実行及び計算結果の図形表示が必須であった。 昭和64年度は、先ず3次元のグロ-バルMHDシミュレ-ションから太陽風と地球磁気圏相互作用を調べ、惑星間空間磁場(IMF)の南北と東西成分に依存した磁気圏尾のダイナミックスを調べた。その結果、IMFが南向きでかつ東西成分が存在する場合、そのIMFの東西成分はプラズマシ-トの中心にまで侵入して尾部の磁気リコネクションによって、単純な閉じた磁力線ル-プで形作られたプラズモイドではなく、ら施状の磁場構造を持つヘリカルプラズモイドが形成されることが明らかになった。そのヘリカルプラズモイドの端の磁力線は初期には地球電離層に結合しており、尾方向に動き出すにつれてヘリカルプラズモイドの両端から電離層までの磁力線は束ねられ、縦磁場を中心に捕捉した束ロ-プの形状を作り出すことも判った。尾の磁力リコネクションが更に進行すると電離層に接続していた磁束ロ-プ状の磁力線もすべて切れ、ヘリカルプラズモイドは尾方向に加速されながら伝搬する。 更に、低域境界層として最近興味を持たれている磁気圏境界層のダイナミックスを調べるべく、MHDコ-ドの空間分解能を2倍に上げるとともに、数値精度の高い計算手法を新たに導入して、3次元のグロ-バルなMHDシミュレ-ションを継続的に実行している。
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