磁気圏サブスト-ムの発生メカニズムへのヒントを、オ-ロラ爆発の特徴に見い出すため、最新の良質な地上磁場デ-タに現実的な電離層電気伝導度分布を組み合わせ、Magnetogramーinversion法を用いて、電離層電場1電流を推定した。さらに、こうして求めた高緯度諸パラメ-タ-を、人工衛星によるオ-ロライメ-ジ等と比較し、サブスト-ムの発達特性として次の点が確認された。 1.サブスト-ム爆発の約1時間前に徐々に発達するジェット電流の中心は、多くの場合、真夜中ではなく、朝方6時頃である。これは、惑星間空間磁場が南向き成分をもち、その電場の効果であると考えられる。 2.サブスト-ム直前に極冠域にシ-タ(θ)オ-ロラが現われる場合、このシ-タオ-ロラとふつうのオ-バルオ-ロラの交点付近で、サブスト-ムの爆発がおきる。 3.サブスト-ム爆発に極冠域のサイズの変動(とくに、オ-ロラ爆発がおきる直前のサイズの拡大)は、サブスト-ムのエネルギ-収支に大きく影響する。極冠域の面積は、磁気圏尾に貯えられる磁場エネルギ-比例するからである。現在の技術で極冠域の面積、すなわちopen磁力線の領域、を正確に観測することは不可能なので、本研究では、inversion法を用いて得られた電場、電流、そして同期間のオ-ロラ衛星写真から間接的に極冠境界区を推定し、これらを比較した。その結果、最大5度(緯度)の差があることが知れ、極冠が完全な円ではないため、地方時による影響が大きいことがわかった。 4.Inversion法から算出した電位、電流ベクトルは、それぞれ太陽風パラメ-タからの経験式による電位、最近のAMPTE衛星による磁気圏赤道面電流分布とよい一致を示す。
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