• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

フェムト秒レ-ザ-パルスによる光化学反応の理論的研究(核運動波束の時間発展の計算)

研究課題

研究課題/領域番号 01540357
研究機関山形大学

研究代表者

河野 裕彦  山形大学, 工学部, 助手 (70178226)

研究分担者 藤村 勇一  東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)
キーワードフェムト秒レ-ザ-パルス / 遷移状態スペクトル / 時間・エネルギ-分解発光スペクトル / 共鳴蛍光と共鳴ラマン / 波束の時間発展 / 量子モンテカルロ法 / 励起状態 / 非断熱遷移
研究概要

1.フェムト秒レ-ザ-パルスがどの様に励起ポテンシャル上を運動する波束を生み出すか、また、その運動がどうスペクトルに反映するかを明らかにした。生成波束は入射光に断熱的に追従する部分とパルスのエネルギ-広がりによる共鳴効果を表わす部分(入射パルスが切れた後も残る波束はこの項に起因する)に分けられる。前者は時間・エネルギ-分解スペクトルにおける共鳴ラマン成分を、後者は共鳴蛍光成分を与える。スト-クスシフトの大きな分子では(例えば、沃素分子)、スペクトルのエネルギ-と波束の位置を対応させることができ、波束の時間発展の推定が実験的にも可能であることを示した。振動の自由度が2まで取り扱えるいろいろな分子について、波束運動及びスペクトルの計算を継続中である。これらは断熱ポテンシャル及び非断熱相互作用の形や大きさにきわめて敏感であり、反応の機構を確定するには実験との精密な比較を行う必要がある。
2.溶媒中や多くの振動自由度のある多原子分子では、波束の崩壊も速く、短時間のダイナミクスを問題にするだけで済む。従って、精度は落ちるが多自由度の問題に向くモンテカルロ法の適用が考えられる。筆者らは、人為的温度因子を導入して、波束の運動をモンテカルロシミュレ-ションに都合の良いように局在させることを提案した。求めるべき波束運動と人為的温度因子がある場合のそれとは簡単な関係式で結びつけられていて、両者の間の変換は容易である。この方面の研究を更に進めることは、分子と溶媒の相互作用のダイナミクスの解明に不可決であり、方法の改良はもちろんス-パ-コンピュ-タ-上でのプログラムのベフトル化などにも取り組んで行きたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Kono: "Theory of resonance secondary emission in femtosecond laser excitation:On the connection with wave pocket dynamics" Journal of Chemical Physics. 91. 5960-5973 (1989)

  • [文献書誌] 河野裕彦: "緩和と吸収・発光のダイナミクス" 分光研究. (1990)

  • [文献書誌] H.Kono: "A theoretical study of origins of resonance Raman and resonance fluorescence using a split-up of the emission correlation function" Advances in Chemical Physics.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi