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1989 年度 実績報告書

多重同時計測法による2、3価分子陽イオンの生成と解離のダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 01540383
研究機関大阪市立大学

研究代表者

増岡 俊夫  大阪市立大学, 工学部, 講師 (80047208)

研究分担者 小谷野 猪之助  分子科学研究所, 助教授 (80016089)
キーワード2価イオン化 / イオン解離 / シンクロトロン放射 / トリプルコインシデンス
研究概要

分子科学研究所のUVSOR施設、BL3A2に設置されている気体分子の2価、3価イオン化で生じる光電子-光イオン、光イオン-光イオンの同時計測・角度分解測定システムを、光電子-光イオン-光イオンの多重同時測定(トリプルコインシデンス)ができるように改良を進めた。具体的には、イオン検出系を2系統にし、8チャンネルのマルチストップ時間-デジタル変換器したこと、またデ-タの収集と解析処理法を開発・確立するためにビデオラムを設置し、パソコンによるコインシデンススペクトルの2次元、3次元表示を行えるようなソフトを作成中である。装置は今年度中にできあがり、動作チェックを行った後に次年度前半には初期のデ-タを取得できる見込みであり、2、3価陽イオンの生成と解離のダイナミクスに関する有用なデ-タを得ることができる。
光イオン-光イオンのコインシデンス実験で特筆すべき研究結果を得ることができた。1価イオン化における電子の異方性はよく調べられており、近年イオンについても測定されはじめているが、光による直接的な2価イオン化で生成されるイオン対の異方性は今までまったく報告されていないし、理論的研究も行われていなかった。このことに関して、初めてフラグメントイオン対の生成に、解離のメカニズムと全電子状態(2価イオンと2個の放出電子)の対称性を反映した異方性が存在することを、OCSとCH_3F分子について見いだした。またこれらの分子の2価イオン化に続く解離過程について、解離チャネル、そのしきい値、電子状態と解離チャネルの相関ダイアグラム、イオン対の運動エネルギ-分布などを調べた。さらにSiF_4分子で、ダブルオ-ジェ過程が関与しているとみられる3価イオン化過程を観測したので、これらの成果をとりまとめ中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Nagaoka: "Dissociative double ionization following valence and Al:2p core level photoexcitation of Al(CH_3)_3" phys.Scr.

  • [文献書誌] T.Masuoka: "Anisotropic angular distribution of fragment ions in dissociative double photoionization of CH_3F" J.Phys.B.

  • [文献書誌] T.Masuoka: "Angular distribution of positive-ion pair produced by dissociative double photoionization of OCS" Phy.Rev.Lett.

  • [文献書誌] T.Masuoka: "Dissociative double photoionization of CH_3F studied by photoion-photoion coincidence method" J.Chem.Phys.

  • [文献書誌] T.Masuoka: "Dissociative double photoionization of OCS studied by mass spectrometry and coincidence method" J.Chem.Phys.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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