研究概要 |
1)イオン性環状ポリエ-テル色素の合成 市販のヒドロキノンモノメチルエ-テルをヒドロキシメチル化、フェノ-ル性水酸元のメチル化、続いて臭素化することによって、大量の二臭化物(交付申請書「研究実施計画」欄の化合物2__〜を得た、これを3種のエチレングリコ-ル同族体と反応させて、ポダンド型ジオ-ル(同3__〜)を42〜96%収律で得た。常法に従って3__〜を上記二臭化物と環化縮合させ、大環状中間体(同4__〜)を比較的高収率(32〜55%)で合成することがでいた。硝酸第二セリウムアンモニウムを20倍モル量用いる酸化的脱メチル化反応によって、ビスキノンを10〜48%収率で得た。2,4ージニトロフェニルヒドラジンと処理して、目的をする3つのイオン性環状ポリエ-テル色素1__〜(n=1〜3)を合成することに成功した。(19〜25%) 2)ホスト-ゲスト構造認識の検討 イオン性色素化ホスト1__〜はアミンと反応すると直ちに赤〜青色を呈するので、可視吸収スペクトルを測定し、カチオンとアニオン間の構造相補性について検討した。その結果、1__〜(n=3)がエチレンジアミンと選択的に安定な1:1イオン性錯体を形成することを見出した。また、1__〜はいずれもクロロホルム中、〔1__〜〕:〔アミン〕=1の条件下ではα,ωーポリメチレンジアミン類と選択的に呈色することが明らかになった。本研究で明らかになったエチレンジアミン選択性およびジアミン選択呈色の発現機構を解明するために、イオン性錯体の単離・精製を試みてきたが、1__〜が難溶性であるためにまだ成功していない。従って、本研究の内容は論文発表に至っていない。
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