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1989 年度 実績報告書

生活史と行動スケジュ-ルに関する数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01540550
研究機関九州大学

研究代表者

巌佐 庸  九州大学, 理学部, 助手 (70176535)

キーワード最適スケジュ-ル / 可塑性 / 変動環境 / 動的ゲ-ム / ストレス耐性戦略 / 発酵 / 活動時間帯 / 保険
研究概要

○変動する環境における植物の最適成長解に関する論文は、植物成長に関する他の論文の内容とともにまとめてバイオシステマティックス国際シンポジウムで口演発表し、プロシ-ディングの本がAcademic Pressより出版される。また中心となる計算を書いた論文は、すでにTheor.Pop.Biol.に投稿を済ませた。○この研究の結果、成長の可塑性(Plasticity)が適応的であるかどうかは環境変動の様式によって異なることがはっきりし、Philip Grimeが提唱してきたストレス耐性戦略(良い環境に置かれても成長が遅い)の植物が進化生態学の視点で理解できることが判った。○チョウの雄の探索活動の時間帯に関する論文(小原嘉明と共著)はJ.Insect.Behav.に受理され、印刷された。○草食動物の活動時間帯を理解するには、食物を咬み戻すこと(反すう)による発酵を理解する必要がある。発酵の進化と餌条件、体の大きさなどの最適化モデルによって解析し、Amer.Natur.に投稿した(山内淳と共著)。
これらの成果および過去10年ほどにおける申請者の数理生態学における仕事をまとめた著書(単著)を脱稿し、HBJ出版より今年度中に印刷される予定である。
全体として、当初の予定よりも速く進んだ。しかしながら、特に植物の成長に関して、個体間の競争的関係によるゲ-ム論的側面が無視できないことが判ってきた。たとえば、既存の最適成長モデルによると繁殖投資の相対比(RA)は密度とともに変化しないという予測が得られるが、実験個体群による最近の結果は(e.g.Kawano et al.,1989.Plant Species Biol.4:75-99)、通常はRAが密度とともに減少するが、純系のイネを用いたデ-タでは変化しない。このことは、動的ゲ-ムモデルによって始めて解析することができる。平成2年度はゲ-ム的側面に研究を進めることにしたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.: "Optimal growth schedule of a perenntial plant." Americal Naturalist. 133. 480-505 (1989)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.: "A game model for activity schedule within a day for male butterflies." Journal of Insect Behavior. 2. 589-608 (1989)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.: "Aggregation in model ecosystems.II.Approximate aggregation." IMA J.Math.Appl.Med.Biol.6. 1-23 (1989)

  • [文献書誌] Ishii,K.: "Evolutionarily stable mutation rate in a periodecally fluctuating environment." Genetics. 121. 163-174 (1989)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.: "Perfect and approximate aggregation in model ecosystems." Res.Rep.Oak Ridge Nat.Lab.(1990)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.: "Evolution of selfing rate and resource allocation models." Plant Species Biology. (1990)

  • [文献書誌] 巌佐庸: "生物社会のダイナミックス:数理生物学への招待" HBJ出版, 280 (1990)

  • [文献書誌] Kawano,S.その他編: "Biological Approarches and Evolutionary Trends in Plants." Academic Press:N.Y., 350 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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