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1989 年度 実績報告書

ハナヤサイサンゴ共棲生物群集の構造と成立過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01540551
研究機関琉球大学

研究代表者

土屋 誠  琉球大学, 理学部, 助教授 (40108460)

キーワード群集構造 / 種内・種間関係 / ハナヤサイサンゴ / 種の多様性 / 種-面積関係
研究概要

ハナヤサイサンゴの枝間に生息している小動物群集の種類組成とサンゴ群体のサイズの関係を調べた。様々なサイズのサンゴ群体を調査した結果、小動物の種類数及び個体数は群体サイズが大きいほど多く、逆に単位体積(枝間の空間の体積で表示)あたりの種類数、個体数は減少した。種の多様度(H')も大きな群体に生息している群集ほど高かったが、均衡度(J')は群体サイズに関わらず一定であった。
小動物はサンゴとの共生種と非共生種に分けることができる。最初に共生種の種組成について解析を進めた。空間サイズが1.5cm^3の小型群体には共生種は認められなかった。空間サイズが増加するにつれて種組成も変化した。即ち、1.5-12cm^3:1個体のサンゴガニ類かキモガニ、14.5-22.5cm^3:2種類の共生種が採集されたが1種類1個体、23.7-71cm^3:サンゴガニ類かダルマハゼ類の雌雄のペアを含む2種類採集される、74-263cm^3:2あるいは3種類採集され、それぞれ雌雄のペアで出現することが多い、>331cm^3:4種以上(最高は1980cm^3の群体における10種)が出現し複雑な群集が構成されていた。これらの種類組成は共生種間の種内・種間関係によって決定されていることが予想されたので、その関係を明らかにするための実験観察を開始した。
共生種のサイズを測定した。サンゴガニ類とサンゴテポウエビの抱卵雌のサイズは大きなサンゴ群体に生息しているものほど大きく、抱卵数も大であった。卵サイズはサンゴ群体のサイズに関わらず一定であった。
サンゴの群体サイズが様々な形で共生種の生活と関わっていることが明らかになったので、今後、その関わりについて解析し、小動物群集が成立する過程について解明したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tsuchiya,Makoto: "Community structure of small crustaceans associated with the coral Pocillopora damicornis and role of their intra-and interspecific interactions during its organization process." Abstracts of 5th International Congress of Ecology. (1990)

  • [文献書誌] 土屋誠: "Marine hard bottom communities:Structuring process and inter-and intra-specific interactions-生物群集の成立過程解明の手がかりを探る-" 個体群生態学会会報. (1990)

  • [文献書誌] 土屋誠: "温帯域とサンゴ礁域の岩礁性潮間帯生物群集-群集の成立過程と生態学における記載研究のすすめ-" 海洋と生物. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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