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1989 年度 実績報告書

植物のオ-キシン応答反応における分子的基礎(オ-キシン輸送担体の同定と構造解析)

研究課題

研究課題/領域番号 01540564
研究機関大阪大学

研究代表者

下村 正二  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90116046)

キーワードオ-キシン / 植物ホルモン / ホルモン受容体 / 情報伝達機構 / 遺伝子解析 / 屈性 / 輸送機構 / 植物育種
研究概要

植物におけるホルモン受容と細胞応答の機構については、その重要性にもかかわらず、現時点では、ほとんど解析されていないと言える。この機構を分子レベルで明らかにすることが、植物生理学のみならず育種学においても要望されている研究課題である。そこで、私は、植物ホルモンの一つとして、古くからその生理作用面についての研究が活発に行われてきたオ-キシンについて、その初期応答反応過程を解明すべく研究を進めている。
オ-キシン作用においては二つの機構に分割する必要があるかもしれない。一つは、オ-キシンの細胞への直接作用、すなわち、ホルモン受容体を介する細胞の応答反応機構。第二は、植物組織におけるオ-キシン濃度勾配の形成機構である。オ-キシンは植物組織内において極性的に移動することが知られている。この極性移動の結果生じるオ-キシン濃度勾配が、植物の屈性現象や頂芽優先現象などと深く関わっていることが指摘されている。オ-キシン輸送は、いわゆる通導組織を利用して移動するのではなく、細胞間での移動によると考えられている。ここで興味あることは、このオ-キシン輸送機構がどにょうにして極性を示すのか、輸送過程にどのような調節が行われているのか、更に、輸送系が単にオ-キシンの細胞間移動の機能しか持たないのか、それとも、輸送と共役してオ-キシン情報を細胞内に伝達するオ-キシン受容体の機能も持つのか、という疑問点が残されている。そこで、私は、現在、オ-キシンやオ-キシン輸送阻害剤の結合活性を指標にして、オ-キシン受容体、オ-キシン輸送蛋白質の単離精製、ならびに、その遺伝子の構造解析を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N.Inohara,S.Shimomura,T.Fukui,and M.Futai: "Auxinーbinding protein located in the endoplasmic reticulum of maize shoots.Melecular cloning and complete prirnary structure" Proc.Natl Acad.Sci.USA. 86. 3564-3568 (1989)

  • [文献書誌] S.Shimomura,W.Liu,T.Nagata and M.Futai: "Comparison of a membrane auxinーbinding protein between maize and tobacco:Ubigutous presence of this protein in higer plants and its possible role in signal perception on the cell surface" Planta.

  • [文献書誌] 猪原直弘,下村正二: "オ-キシン結合蛋白質の構造と機能.膜に局在する糖蛋白質,オ-キシン情報伝達に関与か" 化学と生物. 28. 71-73 (1990)

  • [文献書誌] 下村正二: "細胞膜のオ-キシン結合タンパク質の構造と機能" 植物の化学調節(総説).

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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