研究概要 |
1。分泌細胞の分泌を掌る細胞壁付近にマイクロチュ-ブルが多数存在するが,この分布状態を未分化の若い組織・成長して分化しているが未分泌の組織・成熟し盛んに分泌活動をしている組織に於ての相違を検討する為,凍結超薄切片法により得た切片を免疫抗係法により検査し,若干の成果を得た。 2。てっぽうゆり雌蘂柱頭より粘液が分泌され,柱頭に於ける花粉の発芽・花粉管の伸長を助けているが,この物質中の蛋白質を精製し,東北大学農学部日向康吉教授の研究室に於てマウスを用いてポリクロナ-ル抗体を作成して貫った。これをてっぽうゆり雌蘂切片に用いて,光学顕微鏡・電子顕微鏡により免疫組織化学的にこれら蛋白質の所在を追跡して成果を得た。またこの蛋白質は成熟組織中のみではなく,かなり若い組織中にも存在することが判明した。この結果は本年6月23〜27日にイタリア国コモ市で行われる国際シンポジウム“Angiosperm pollen and ovules"および今秋開催の日本植物学会第56回大会に報告する予定である。 3。雌蘂内での分泌物質の輸送経路である維管束組織から分泌細胞に到るそれぞれの細胞間の細胞間連絡の分布およびその発達状況を,若い組織から順を追って微細構造的に解析した結果を下記学会に於て講演発表した。論文も後日印刷される予定である。 演題 A distribution pattern of plasmodesmata on the secretive cells in a lily pistil.XI International Symposium on “Embryology and seed reproduction"Leningrad,USSR,July 3ー7,1990
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