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1989 年度 実績報告書

ウニ初期発生におけるアリ-ルスルファタ-ゼの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01540591
研究機関広島大学

研究代表者

赤坂 甲治  広島大学, 理学部動物学教室, 助教授 (60150968)

キーワードウニ胚 / アリ-ルスルファタ-ゼ / 分子発生学
研究概要

ウニ胚の発生過程におけるアリ-ルスルファタ-ゼ(Ars)の役割を明らかにする第一段階として、胚内及び細胞内の局在性を調べた。1981年RapraegerとEpelが、生化学的手法により、ウニ胚のArs活性は細胞外基質に存在することを報告しているが、組織化学的に活性染色法により局在性を調べると、細胞外基質にArs活性はなく、反口上皮の細胞内に局在することが明らかになった。また、前述の生化学的手法によるデ-タ-は、おそらくア-ティファクトである可能性が示された。さらに、電子顕微鏡観察により、Ars活性は、細胞膜直下のリソゾ-ム様構造内に存在することが明らかになった。また、Ars活性をもつリソゾ-ム構造と卵黄顆粒が融合している像も得られたことから、おそらくArsは卵黄顆粒に存在するアリ-ル硫酸を加水分解するものと考えられた。(1990、赤坂ら)。
我々の研究室に続いて、昨年他の生物でもArsのcDNAがクロ-ニングされた。予想されるアミノ酸配列を比較したところ、よく保存されている配列が二ヶ所発見された(1990、山田ら)。おそらくこの配列が触媒中心または調節領域と考えられる。この領域に突然変異を与え、生じる活性変異を調べることにより触媒機構を明らかにし、Arsの役割解明の系口にしたいと考えている。次に、アンチセンスRNAを合成させるようなプラスミドを卵に注射し、生じる発生異常を調べる試みを行なった。転写調節領域としてArs遺伝子の上流3kbをもつCAT(リポ-タ-)遺伝子を卵に注射したところ複製を繰返し、CAT遺伝子が効率よく転写されることが明らかになった。今後は、この系を用い、ArsのアンチセンスRNAを合成するDNAを卵に注射し、生じる発生異常を調べることにより、Arsの役割を解明したいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazumi Yamada: "Structure of sea-urchin arylsulfatase gene" Eur.J.Biochem.186. 405-410 (1989)

  • [文献書誌] Koji Akasaka: "Histochemical detection of arylsulfatase activity in sea urchin embryos" Dev.Growth & Difter.(1990)

  • [文献書誌] Koji Akasaka: "Spartial patterns of arylsulfatase mRNA expression in sea urchin embryo" Dev.Growth & Differ. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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