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1989 年度 実績報告書

共生カイメンの生物活性物質の単離と薬理的性質

研究課題

研究課題/領域番号 01540598
研究機関広島大学

研究代表者

宗岡 洋二郎  広島大学, 総合科学部, 教授 (40031330)

研究分担者 小林 惇  広島大学, 総合科学部, 教授 (50033981)
キーワード軟体動物 / 前鰓類 / コナガニシ / 共生カイメン / 神経節 / アセチルコリン様物質 / カテコルアミン様物質 / 神経ペプチド
研究概要

1.軟体動物前鰓類のコナガニシはツミイレカイメンとキヌトメバリカイメンに被われ、これらと共生している。コナガニシを購入し、これら共生カイメンとコナガニシ神経節から生物活性物質を単離し、その構造や薬理的性質を調べた。
2.まず、主目的のカイメン活性物質を単離するため、抽出物をC-18カ-トリッヂにかけ、極性の高いものと低いものに分けた。極性の高いものに、軟体動物筋に対する活性が特に強くみられたので、これを純化し、収縮物質2種及び弛緩物質2種を得た。
3.これら物質の活性の薬理的性質や化学的性質を調べ、収縮物質の1種はアセチルコリン様の性質を持つが、アセチルコリン自身でも、またその分解物のコリンでもないことを示す結果が得られた。他の1種は筋の蓄積カルシウムを遊離させることによって収縮を引き起こしていることを示唆する結果を得た。弛緩物質の性質は2種共にカテコラミン様の性質を示したが、カテコラミンその他の生体アミンのアンタゴニストによって弛緩反応は影響を受けず、今まで知られている生体アミンとは異なる物質であることを示唆する結果を得た。これら4種の物質の構造は現在、解析中である。
4.カイメンを採った残りのコナガニシ体から神経節を分離し、その中に含まれる神経ペプチドの単離を試み、合計15種のペプチドを純化した。このうち、10種については構造を決定した。他の5種については推定構造がわかった段階である。なお、構造の明らかになったペプチドのうち、APGW amideと名づけたペプチドについては、構造-活性関係をくわしく調べ、Gly-Trp-NH_2という単純な構造の物質がセロトンニン遊離を抑える作用が強いことをみつけた。したがって、この物質を変形デザインして有用な薬物を開発できる可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshihiro Kuroki: "A molluscan neuropeptide related to the crustacean hormone,RPCH." Biochem.Biophys.Res.Commun.(1990)

  • [文献書誌] Yuko Fujisawa: "Neuropeptides isolated from Mytilus edulis(Bivalvia)and Fusinus ferrugineus(Prosobranchia)" Comparative Pharmacology of Neuropeptides(Manchester University Press). (1990)

  • [文献書誌] Noriyuki Ohta: "Three novel tetradecapeptides isolated from the ganglia of the molluscs,Achatina fulica and Fusinus ferrugineus." Peptide Chemistry,1989. (1990)

  • [文献書誌] Tomoko Kanda: "Neuropeptides isolated from the ganglia of a prosobranch mollusc,Fusinus ferrugineus." Peptide Chemistry,1989. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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