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1990 年度 実績報告書

キタテハの夏型ホルモンの精製とカイコガ夏型ホルモン活性物質の単離

研究課題

研究課題/領域番号 01540601
研究機関山口大学

研究代表者

遠藤 克彦  山口大学, 理学部, 助教授 (70089845)

キーワードカイコガ / キタテハ / 夏型ホルモン / 精製 / イオン交換クロマトグラフィ-
研究概要

今年度の研究成果は、大きく2つにわけられる。1つは夏型ホルモン活性物質を抽出するカイコガの脳は、幼虫、蛹、成虫のいずれのステ-ジで得たら良いかを決めたことである。4令当日の幼虫から成虫までの各ステ-ジで1日ごとに脳を300個ずつ集め、抽出し、キタテハの短日蛹に投与し、各抽出液中の夏型ホルモン活性を検定した。その結果、最終令(5令)中期から成虫にかけて、脳内の夏型ホルモン活性が増加すると判断された。しかし、脳のサイズ、集め易さから考えると、蛹化直後の脳が、夏型ホルモンの抽出には最適ではないかと考えられた。また第2の成果は、夏型ホルモン活性物質の精製過程におけるイオン交換クロマトグラフィ-のステップが確定できたことである。まず、バツチ法によって、陽イオン交換体と陰イオン交換体のいずれに夏型ホルモン活性物質が、親和性を示すかを調べた所、QAEーとDEAEーToyopearlの陰イオン交換体に、中性附近で強い親和性を示すことが明らかとなった。そこで、ファルマシアの高速液体クロマトグラフィ-によって、陰イオン交換カラム(MonoーQ)を用いて、イオン交換クロマトグラフィ-を行い、その溶出液を凍結乾燥の後に、キタテハの短日蛹に投与し、夏型ホルモン活性物質の溶出パタ-ンを調べたところ、溶出液のNaCl濃度が0.5M附近で、単独の活性ピ-クとして夏型ホルモン活性物質が回収されていた。
この結果、夏型ホルモン活性物質の抽出、部分精製、イオン交換クロマトグラフィ-,逆相カラムによる高速液体クロマトグラフィ-と精製のための全てのステツプが確定したこととなった。しかし、この精製過程が確定した際には、既にキタテハが飼育可能な季節(4月ー10月)が終り、今年度中にその実験を行うことが不可能となり、カイコガの脳から、夏型ホルモン活性物質を精製、単離するまでには至らなかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Masaki,T.,Endo,K.and Kumagai,K.: "Neuroendocrine regulation of the development of seasonal morphs in the Asian comma butterfly,Polygonia cーaureum L.:Stageーdependent changes in the activity of SMPH of brainーextracts." Zoological Science. 6. 113-119 (1989)

  • [文献書誌] Nakaoka,S.and Endo,K.: "Entrainment of the circadian clook gating prothoracicotropic hormone(PTTH) secretion in the swallowtail,Papilio xuthus L.(Lepidoptera:Papilionidae).I.Complete photoperiods." Appl.Ent.Zool.25. 95-104 (1990)

  • [文献書誌] Endo,K.,Fujimoto,Y.,Masaki,T.and Kumagai,K.: "Stageーdependent changes in the activity of the prothoracicotropic hormone(PTTH) in the brain of the Asian comma butterfly,Polygonia cーaureum L." Zoological Science. 7. 697-704 (1990)

  • [文献書誌] 遠藤 克彦: "昆虫の脱皮と変態のタイミングを決めるホルモン" 化学と工業. 43. 36-40 (1990)

  • [文献書誌] 遠藤 克彦: "生物のサ-カディアンリズム 2.昆虫II光周時計." 化学と生物. 29. 45-49 (1991)

  • [文献書誌] Fujimoto,Y.,Endo,K.,Watanabe,M.and Kumagai,K.: "Speciesーspecificity in the action of big and small prothoracicotropic hormone of four species lepidopteran insects,Mamestra brassicae,Bombyx mori,Papilio and Polygonia cーaureum." Zoological Science. 8. (1991)

  • [文献書誌] 遠藤 克彦: "昆虫生理学ー現象から分子へ 大西英爾他編 蝶の季節型を支配するホルモン(蝶はどのようにしてその衣装をかえるか)" 朝倉書店, 234 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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