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1989 年度 実績報告書

細胞質分裂の誘起と分裂溝形成の機構

研究課題

研究課題/領域番号 01540605
研究機関放送大学

研究代表者

平本 幸男  放送大学, 教養学部, 教授 (50011440)

キーワード細胞質分裂 / 分裂装置 / 表層 / 分裂刺激 / 収縮環 / マイクロマニピュレ-ション
研究概要

1.細胞質分裂における分裂装置の役割。分裂溝が2個の星状体の間に作られる原因としては、(a)星糸が分裂溝を引き込む力を出したり、2個の星状体が堅く、その間が弱いために表層の収縮がその部分に集中するといったような純力学的なものと、(b)分裂装置から出される或る種の物質(分裂刺激)によって2個の星状体の間の表層部に収縮環が作られることが考えられる。aの可能性が成立するためには、星糸は表層と同程度またはそれ以上の堅さをもっていなければならない。この点を調べるため、分裂直前のウニ卵の分裂装置を機械的に動かして表層を内部から押し、その際の表層の変形と分裂装置の変形の比較から両者の堅さの比較を行った。第1の実験では、微小針を卵中の分裂装置に差込み、針の表層通過点を中心にして細胞を回転して出来るだけ表層に変形を及ばさないように表層と分裂装置の相対的位置を変えた。第2の実験では、遠心顕微鏡によって観察しながら遠心力を加えることによって分裂装置をまわりの細胞質との密度の違いによって移動させた。以上いずれの実験においても、分裂装置の細胞内での移動によって分裂装置、特に星状体の周辺部が著しく変形している場合でも細胞の形は殆んど変わらなかった。この事実は、表層は分裂装置に比べて十分堅いこと、従って上述のaの可能性は殆んどないことを示す。
2.分裂中のウニ卵を細胞内と組成の近い人工液の中に入れ、マイクロマニピュレ-ションによって内部原形質を外液と置換して表層部だけを単離し、分裂を進行させる試みを行い、部分的に成功した。今後、方法を改良して分裂前の細胞の表層だけで完全に分裂が進むよう試みている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Shinagawa,S.Konno,Y.Yoshimoto & Y.Hiramoto: "Nuclear involvement in localization of the initiation site of surface contraction waves in Xenopus eggs." Develop.Growth & Differ.31. 249-255 (1989)

  • [文献書誌] Y.Yoshimoto,Y.Yoshimoto and T.Iwamatsu: "Inclease in intracellular calcium ions upon fertilization in animal eggs." Acta Histochem.Cytochem.22. 153-156 (1989)

  • [文献書誌] 吉本康明,平本幸男: "超高感度ビデオ顕微鏡(VIM)システム細胞内Ca^<2+>の映像化" 細胞工学. 8. 177-182 (1989)

  • [文献書誌] I.Kaneda,E.Kamitsubo and Y.Hiramoto: "The mechanical structure of the cytoplasm of the echinoderm egg determined by“Gold particle method"using a centrifuge microscope." Develop.Growth & Differ.32. 15-22 (1990)

  • [文献書誌] Y.C.Fung,K.Hayashi and Y.,Sekiguchi編(Y.Hiromoto分担): "Progress and New Directions of Biomechanics(分担 Mechanics of Dividing Cells)" Mita Press,Tokyo, 444 10 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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