研究概要 |
平成2年度配分額はわずか10万円であったので,山形県小国地域のハ-フグラ-ベンのまとめと,秋田県打当川流域のハ-フグラ-ベンの調査を実施したのみである。 〔山形県小国地域のハ-フグラ-ベン〕 1) 南北方向で幅10kmのものひとつと5kmのもの2つより成る。 2) 活動開始は22〜23Maの直後で、厚い粗粒推積物によって埋積された。 3)16Ma頃に玄武岩が少量噴出した。 4) 海進とともに15Ma頃の砂岩が堆積したが,この時期にもハ-フグラ-ベンは活動中で,著しい層厚変化をもたらした。 5)海進の進行とともに漸深海化し,泥岩が堆積した。この時代は14Maを含むが,この時にはハ-フグラ-ベンの活動は衰退しつつあった。 6) 以上の過程とODPのLeg127の結果を比較すると,ハ-フグラ-ベンの活動は日本海拡大よりやや先立って開始したことになる。 7) ハ-フグラ-ベンの間隔は諸外国のものと比べて小さい。このことは日本の方が温度勾配が大きく,地殻の“弾性層"の厚さと剛性率が小さかったことを意味する。 〔秋田県打当川流域のハ-フグラ-ベン〕 この地域の全様はまだ十分明らかではない。しかし,ハ-フグラ-ベン活動はやや遅かったようであり,幅が広い点で他の各地のハ-フグラ-ベンとやや異っているようである。
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