研究課題/領域番号 |
01540630
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
沢田 順弘 島根大学, 理学部, 助教授 (80196328)
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研究分担者 |
赤坂 正秀 島根大学, 理学部, 助手 (20202509)
高須 晃 島根大学, 理学部, 助手 (00183848)
三宅 康幸 島根大学, 理学部, 助教授 (70200144)
飯泉 滋 島根大学, 理学部, 教授 (80032639)
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キーワード | リフティング / 西南日本内帯 / 日本海拡大 / 背弧海盆 / 活動的大陸縁 / 島弧 |
研究概要 |
平成元年度には西中国地方の白亜紀から新第三紀に至る火成岩類について、顕微鏡記載、XRF・INAAによる全岩主・微量成分分析、Sr・Nd同位体測定を行った。その結果、次のような諸点が明らかとなった。 1.火成活動は白亜紀-前期古第三紀,後期古第三紀,前・中期中新世(非アルカリ岩)、中期中新世以降(アルカリ岩)の活動に区分され、それぞれの間にはdrasticな組成的変化が認められる。非アルカリ岩類では白亜紀から中新世にかけてincompatible elementsおよびSr・Nd同位体値はよりdepletedする傾向にある。2.後期古第三紀にはリフティングまたはド-ミングが起こり、上部マントルと下部地殻物質の改変が始まった。3.約29Maから21Maにかけて火成活動は微弱になるが、この期を境として上部マントルと下部地殻の改変が著しく進み、よりdepletedしたものへと変わった。この改変にはdepletedマントル・ダイピルが関与しているものと考えられる。4.火成活動からみる限り、日本海の拡大に直接関連した火成活動は20Ma頃から始まった推定される。5.アルカリ岩の活動は13Ma以降起こっており、この頃にはフィリピン海プレ-トが山陰帯の下にまで達したと考えられる。今年度は中国地方の白亜紀以降の火成岩類と捕獲岩類について地球化学的研究を引続き行うとともに、紅海-アフリカ地溝帯(ケニア・エチオピア・北イエメン)の新生代火山岩類(特に玄武岩類)の放射年代測定、主・微量成分分析、Sr・Nd同位体測定を行う。以上の結果をふまえ、西南日本内帯の白亜紀以降の火成活動と背孤海盆、大陸性リフトや北米・南米の活動的大陸縁における火成活動との比較検討を行い、大陸縁におけるリフティングとその分裂、島孤の形成というテクトニクスと火成活動の関連についてまとめる予定である。
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