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1990 年度 実績報告書

中・古生界の生相および堆積相におけるゴンドワナ要素の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01540643
研究機関広島大学

研究代表者

沖村 雄二  広島大学, 理学部, 教授 (60033825)

研究分担者 矢野 孝雄  広島大学, 理学部, 助手 (30133151)
宮本 隆実  広島大学, 理学部, 講師 (00090548)
キーワードペリゴンドワナ / テチス海 / 中・古生代古生物
研究概要

本年度はこの研究の総括をおこなうべく、研究方法の主体を、野外調査からゴンドワナ要素の識別とその分布に関する資料の収集と解析において進めてきた。そのため、東北大学で開催された国際シンポジウムの第3回浅海テチス(Shallow Tethys)と有孔虫類国際会議(Benthos '90)に出席して、ゴンドワナ要素と考えられる古生物群の識別のための情報を収集するとともに、同大学理学部地質学古生物学教室において、情報の交換・討論をおこなった。結果として、これまで研究されてきた本邦の古・中生代の情報のほとんどが、地質学的にも古生物学的にもテチス海の要素として処理されており、ゴンドワナ大陸の一部もみとめられていないわが国では、テチス海とゴンドワナ縁辺海、あるいは古太平洋域を区別するための古生物群の特性の識別がなされなくてはならないことが明らかになった。すなわち、個々の古生物の種や属の単位でのゴンドワナ要素の認定よりも、記載されている種や属を群としてみた場合の分布の確認が重要であり、それを基礎にした世界的な古生物地理区の設定が最重要課題であると考えられる。その典型的な例として、西南日本外帯、熊本県中央部の球磨層から産生した有孔虫化石群の特性があげられる。球磨層から発見されたParadoxiella cf.prattiは、米国テキサス州の上部ペルム系から記載されているにすぎないことから、この種だけで古生物地理区を推測することはあまりにも危険である。しかし、共産するprimitive colaniellidsを含む小型有孔虫化石群の種構成からすると、球磨層のLepidolina kumaennsisで代表される化石動物群は、明らかにゴンドワナ大陸の北縁海域を特徴づけるものである(日本地質学会西日本支部例会において報告)。また、これは、西南日本内帯、舞鶴帯のPalaeofusulina sinennsisーColaniella parva faunaがゴンドワナ要素ではないことを意味している可能性がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] OKIMURA,Yuji: "Notes on the specific determination of the genus Tetrataxis" Centenary of Japanese Micropaleontology. (1991)

  • [文献書誌] TAKAYANAGI.Y,OKIMURA.Y,et.al,: "Bibliography of the literature on Foraminifera from Japan published during the Years 1890 to 1989." Sci.Rep.Tohoku Univ.2nd Ser.(Geol.)Spec.Vol.No.7.No.7.13-48 (1990)

  • [文献書誌] 沖村 雄二: "中国地方の石灰石鉱業・鉱床" 鉱床学Pro Memoriaー深田晶先生退官記念事業会編. 149-155 (1990)

  • [文献書誌] 沖村 雄二: "本邦古生代小型有孔虫化石群と古生物地理" 日本列島の有孔虫. 1. 11-14 (1989)

  • [文献書誌] OHTSUKI.K,OKIMURA.Y.et al.: "Breakup of Gondwanaland and emplocement of ophiolitic cowplex in Muslin Bash Area…" Geol.Bull.Univ.Peshawar. 22. 103-126 (1989)

  • [文献書誌] OKIMURA.Y.FATMI.A.N(Edit.): "Tectonics and Sedimeatation of the IvdoーEurasian colliding plateboundary Region…" Hiroshima Univ.Dverseas Sci.Res.1. 1-86 (1989)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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