研究概要 |
1.板皮類の皮甲化石について 1987年に岐阜県吉城郡上宝村福地の福地層群D_4層(下部デボン系)から大倉正敏氏によって発見された板皮類の皮甲化石は、G.C.YoungおよびD.Goujet両氏の協力により、アカントトラキ(棘胸)類の棘板(spinalplate)であることが判明した。さらに、Orvig(1975)が報告しているカナダの下部デボン系産のRomuntina stellinaに似ていることから、とりあえず同族としてRomuntina sp.に同定することにした。 2.軟骨魚類の歯化石について (1)岐阜県吉城郡上宝村福地の一の谷層群(中部石灰系)産のパタロダス類は、G.R.Case氏の協力より、Petalodus allegheniensis,?Chomatodus sp.,?Janassa sp.に同定された。 (2)岐阜県吉城郡上宝村福地の水屋ヶ谷層群(下部ペルム系)産のペタロダス類の歯は、Petalodus allegheniensisに同定された。 (3)岐阜県大垣市赤坂町の赤坂石灰岩累層下部層産の軟骨魚類の歯化石は、?Acrodus sp.,Sandolodus sp.,属種不明のコクリオダス類の歯板に同定された(中部ペルム系)。 (4)福島県いわき市四倉の高倉山層群柏平層(中部ペルム系)産の軟骨魚類は、カグラザメ類の歯ではないかと考えられる。 (5)京都府夜久野のトリアス系産のHybodus sp.,同産のAcrodus sp.,宮城県歌津のジユラ系産のAsterachanthus sp.,の歯化石について、報告をまとめつつある。 (6)新生代第3紀までの地層から多産する化石区六鮫Carcharocles megalodorの歯列の復元をおこなった。 (7)アメリカ合衆国イリノイ州の上部石炭系産のEdesfus heinrichiの正中歯列の化石について、形態学的研究をおこなった。
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