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1989 年度 実績報告書

三波川変成帯における鉱物分帯と石墨化度との関係

研究課題

研究課題/領域番号 01540651
研究機関茨城大学

研究代表者

橋本 光男  茨城大学, 理学部, 教授 (40000103)

研究分担者 田切 美智雄  茨城大学, 理学部, 助教授 (50007829)
キーワード三波川変成域 / 泥質片岩の鉱物組合せ / 石墨化度 / Mg-Fe分配係数 / ざくろ石の累帯構造
研究概要

関東山地三波川変成域には、埼玉県児玉町地域に黒雲母帯が発達している。この地域は主として泥質におよび砂質の結晶片岩から成り、少量の塩基性岩と石英片岩を伴う。地質構造は水平に近く、ゆるやかに北あるいは南に傾く。泥質・砂質片岩にみられる主要な鉱物組合せは、緑泥石+白雲母、ざくろ石+緑泥石+白雲母、黒雲母+ざくろ石+緑泥石+白雲母および黒雲母+緑泥石+白雲母である。黒雲母を含むものは北西部に、緑泥石+白雲母は最北部と南部に、ざくろ石+緑泥石+白雲母はその中間に分布する。石墨化度の分布もそれと調和的である。そこでこの地域を緑泥石帯、ざくろ石帯および黒雲母帯に分けた。黒雲母アイソグラッドにおける石墨化度は36である。泥質・砂質片岩のざくろ石は累帯構造をもち、核部から縁部にむかってFeが増加しMnは減少する。しかし最縁部のFel(Fe+Mn)は広い変動幅を示す。黒雲母アイソグラッドにおける緑泥石-ざくろ石間のMg-Fe分配係数は約0.05である。
以上の結果を四国中央部三波川変成域のものと比較してみる。(1)黒雲母アイソグラッドにおける石墨化度は、本地域では約36であるのに対し、四国中央部では約50である。(2)ざくろ石縁部のFel(Fe+Mn)の変動幅は本地域では広いが、四国では狭く、かつ全体としてFeとMgに富む。(3)黒雲母アイソグラッドにおける緑泥石-ざくろ石のMg-Fe分配係数は、本地域では約0.05であるが、四国では約0.08である。以上の違いは、本地域の変成条件が四国中央部に比して、より低温かつ低圧であったことを示すものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 橋本光男: "三郡変成岩の変成相と放射年代に関するノ-ト" 地質学論集. 33. 311-315 (1989)

  • [文献書誌] 橋本光男: "御荷鉾緑色岩について" 地質学雑誌. 95. 789-798 (1989)

  • [文献書誌] 田切美智雄・藤縄明彦・落合溝茂: "硫酸分解法を用いたICPによるカコウ岩類・泥質片麻岩類中のREEの分析-酸性岩類中のREEの所在" 岩鉱. 84. 252-255 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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