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1990 年度 実績報告書

三波川変成帯における鉱物分帯と石墨化度との関係

研究課題

研究課題/領域番号 01540651
研究機関茨城大学

研究代表者

橋本 光男  茨城大学, 理学部, 教授 (40000103)

研究分担者 田切 美智雄  茨城大学, 理学部, 助教授 (50007829)
キーワード三波川変成帯 / 関東山地 / 変成分帯 / 石墨化度
研究概要

埼玉県児玉町ー長瀞町地域の三波川変成域は,泥質・砂質片岩の鉱物綱合せと炭質物の石墨化度(G.D.)とにもとづいて,第1帯,第2帯および第3帯に分帯される。分帯の基準は次のようである。第1帯:緑泥石,G.D.〈27,第2帯:緑泥石+ざくろ石,G.D.28ー35,第3帯:緑泥石+ざくろ石+黒雲母および緑泥石+黒運母,G.D.〉36.また,ざくろ石ー緑泥石間のMgーFe分配係数とG.D.とはよい正の相関を示す。そこで,上記の組合せでないか,あるいは組合せの確認し難い試料についてはG.D.を用いて帯分類ができる。このようにして得られた分帯構造は複雑で,第1帯内に第2帯の薄い層状体が挟まれており,同様に第2帯には第1および第3帯の,そして第3帯には第2帯の層状体がみられる。一方,たとえば第3帯と接する第2帯内のG.D.の変化をみると,第3帯にむかって増大せず,むしろ減少していく場合があり,分帯された各帯内の温度構造は上述の分帯構造とはしばしば不調和である。これらのことは,この地域の三波川変成域においては帯境界が累進変成作用のアイソグラッドに対応していないことを示す。いいかえれば,この地域の分帯構造は変成作用の温度構造を保存したものではなくて,後の時代のテクトニクスによって形成されたものである。
なお,本地域の第2帯は四国中央部三波川変成域のざくろ石帯に相応するが,後者にくらべて前者は温度幅がせまく,とくに上限(第3帯との境界)の温度が低い。このことは本地域の変成圧力が四国にくらべて低かったことを示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Hashimoto,R.Funakoshi and K.Kusakabe: "Mnーrich amphiboles from guartzschists of the Iimori district Sambagawa,terrane,Wakayama" J.Min.Pet.Econ.Geol.85. 481-487 (1990)

  • [文献書誌] 橋本 光男: "三郡および三波川変成帯における藍閃石片岩とアクチノ閃石片岩のFe_2O_3/FeOの比較" 岩鉱. 86. 45-48 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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