研究課題/領域番号 |
01540652
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 東京大学, 理学部, 講師 (00011651)
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研究分担者 |
床次 正安 東京大学, 理学部, 教授 (80029850)
堀内 弘之 東京大学, 理学部, 助教授 (80029892)
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キーワード | ブラジル / カ-ボナタイト / 風化 / ジャクピランジャイト / ペロブスカイト / デュ-パル異常 / アルカリ岩 / 同位体測定 |
研究概要 |
われわれは、昭和62年度〜平成2年度文部省海外学術調査・学術研究によってブラジルのカ-ボナタイト・アルカリ複合岩体,ラテライト地域より多数の岩石・鉱物試料を採集したが、これらの標本試料の予備調査によって、対象試料の多くに風北・熱水変質等に伴なう微細構造・組織が存在することが判明、これらの詳細な検討の必要性を指摘した。本研究ではこの点の解析に着手し、一昨年度来成果の発表を行なってきたが、今年度も地球科学関係の学会において次の内容の発表を行ない、刊行物上に成果を発表した。すなわち第一に、ブラジル南部地域のジャクピランジャイトと炭酸塩質マグマとの接触変成に伴う鉱物組織を特に電子顕微鏡観察によって検討し成果を報告した(三鉱学会)。第二にブラジル産のカ-ボナタイトの地球化学的研究を報告した(地球化学会)。本研究はブラジル南東部のカタロン、タピ-ラ、アラシャ、ジャクピランガ、アニタポリスのカ-ボナタイト・アルカリ複合岩体から採取した新鮮な炭酸質試料の同位体比を測定したものである。従来南米大陸のカ-ボナタイトの同位体比の測定は、ジャクピランガについてのみ報告がある。その結果、中性子放射化分析法で得られた稀土類元素パタ-はいずれの地域の試料についてもカ-ボナタイト特有の著しい軽稀土類元素上であった。第三採集したペロブスカイトの双晶組織を報告した。ブラジルのタピ-ラ地域に多量に産出するアナタ-ゼ(Ti0_2)はペロブスカイト(Cati0_3)の風化・変質と密接に関係するが、現に存在するペロブスカイトの成因を微細組織観察・微小領域X線回析から検討した。第四に、南回帰線に沿う海域のホットスポットでは高いストロンチュ-ムの同位体比の存在が明きらかにされこれはデュ-パル異常と呼ばれているが、ブラジルのカ-ボナタイトにこの現象を確認した(1992年IGC発表予定)。
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