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1989 年度 実績報告書

南西諸島の諸集団における抗体遺伝子の分布

研究課題

研究課題/領域番号 01540677
研究機関大阪医科大学

研究代表者

宮崎 時子  大阪医科大学, 医学部, 助手 (60084919)

研究分担者 松本 秀雄  大阪医科大学, 医学部, 学長 (30084809)
キーワード免疫グロブリンアロタイプ / 集団遺伝学 / 蒙古系人種 / 日本民族
研究概要

20年来の研究で、東南アジアから中国、シベリア、南米にわたる蒙古系民族について、抗体の遺伝子(Gm型)を用いて、分子生物学的な観点から人類学的な解析を行い、蒙古系民族は分散の中心がバイカル湖畔にある「北方型」と、それが中国雲南・広西地域にある「南方型」の2つのグル-プに分かれること。そして日本民族は「北方型」に属し、その源流がバイカル湖畔にあるという成績を得た。本研究では、南西諸島の集団、鹿児島:300人、種子島:199人、屋久島:200人、奄美大島:200人、那覇:348人、宮古:242人、石垣:151人、与那国:136人の血清資料についてGm型を検索し、4つの遺伝子:ag、axg、ab^3st、afb^1b^3の頻度を求め次のような成果を得た。(1)いずれの集団の成績もハ-ディワインバ-グの遺伝法則によく合致する。(2)これら全ての集団は「北方型に特徴的なag遺伝子(0.431-0.533)とab^3st遺伝子(0.220-0.364)」の頻度が高く、むしろ「南方型の特徴づけるafb^1b^3遺伝子(0.040-0.125)」の頻度が低いことから、日本本土の集団と同じく、「北方型蒙古系民族」に属することが確認できた。特に奄美渡島、宮古(上野村)、石垣、与那国の集団の成績は日本本土よりも「より北方型」の値を示し、より古い日本民族の原型をとどめているものと考えられる。(3)台湾タカサゴや台湾人(漢民族)は「北方型」のag遺伝子(頻度0.194、0.299)とab^3st遺伝子(0.002,0.047)の頻度が低く、「南方型」のafb^1b^3遺伝子(0.762、0.643)が高い値を示している。南西諸島の集団はより強い「北方型」を示し、台湾の集団が典型的な「南方型」の際立った相違を示すことから、日本民族が南西諸島から島嶼づたいに遡上したとは考え難いという結論を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松本秀雄: "Gm遺伝子からみた日本人の起源" 邪馬台国. 38. 71-38 (1989)

  • [文献書誌] 松本秀雄: "北・南モンゴロイド遺伝子の拡散" 考古学. 29. 74-77 (1989)

  • [文献書誌] 松本秀雄: "血液型による親子鑑定と日本民族の源流" 裳華房, 137 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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