超微粒子の応用的研究を行うためにそのハンドリング技術を確立する必要性を感じ、ランゲミュア膜のような2次元的に限られた空間を利用して、超微粒子を我々の意図するままに整列制御する技術の研究を行っている。研究はコンピュ-タシミュレ-ションによって、限られた空間での超微粒子の配列過程を動的に追跡する作業とそのような系をほんとうの実験で実現し、その電気物性を計測する作業に分かれる。本年度は主に前者に重点を置いて研究を行った。大規模計画を能率よく行うために専用のワ-クステ-ションを導入し、そのデ-タが汎用計算でも処理できるように通信回線を整備した。分子動力学的なアプロ-チとモンテカルロ法的なアプロ-チを併用して、長時間にわたる緩和過程を追跡できるように工夫した。また低次元系に特有な緩和時間の増大とその分布に対応できるようにモンテカルロ法のアルゴリズムを工夫した。超微粒子の配列状態をその密度をパラメ-タとして整理する作業を行っている。十分におおきな系での実験では、アルダ-転移のように純粋に統計力学的なもの以外に、もっと現実的な、例えば、デイスロケ-ション、グレンバウンダリ-などの動的な発展過程かとらえられることを予想し、さらに大規模のシミュレ-ションを計画している。
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