研究概要 |
平成2年度では以下の2つの実験を中心に研究を行った。 1.透明トランスデュ-サ-を用いた光音響分光法システムの開発 表面の構造変化により発生する音波の発生機構を研究するには表面で音波を検出する必要がある。レ-ザ-光を吸収しない透明な圧電トランスデュ-サ-を開発することにより表面から音波を直接検出することができ、光ー音波の変換効率の測定が可能となった。LiNbO_3単結晶とlTO透明電極を用いて透明トラスデュ-サ-を作成した。これを用いて表面に敏感な光音響分光システムも開発した。さらに,このシステムは焦電効果と圧電効果の両方を利用でき,固体内部の情報も得ることができる事を実験および理論両面から明らかにした。さらに積層試料において構成層の情報分離独立に抽出できることも示した。 2.パルスレ-ザ-照射による固体表面の構造変化 光学的に透明な試料な半導体薄膜におけるレ-ザ-誘起の構造変化を反射率および透過率の変化を測定して研究した。特にGeTe薄膜を中心に用いて液体を経る構造変化の動的挙動を明らかにした。レ-ザ-照射後の状態をラマン分光法および電子顕微鏡を用いて詳細に研究した。その結果,過冷却液体の存在時間の大小がレ-ザ-照射後の薄膜の結晶性を決定することを明らかにした。
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