研究課題/領域番号 |
01550025
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
久武 慶蔵 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50082813)
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研究分担者 |
松原 郁哉 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40157342)
前田 敬一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (10084766)
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キーワード | ガンマ線 / 誘導磁気 / イットリウム・鉄・ガ-ネット / 複素初透磁率 / 白色光 |
研究概要 |
フロ-ティングゾ-ン法によって作成したYIG単結晶での光誘導磁気効果につていの実験において本年度いくつかの知見をえたが次の2つについて大別できる。 1.ガンマ線誘導磁気効果の発見 医療用の強いコバルトガンマ線源(2キロキュリ-)を用いて液体窒素温度におけるYIG単結晶にガンマ線照射した時その複素初透磁率が大きく変化する現象を見いだした。すなわち例えば測定周波数2kHzで、その実部は60%以上減少し、虚部は約150%上昇した。この変化は低温に保持する限りは非可逆的であるが室温に戻すとその照射の効果は消える。さらに温度上昇過程で虚部の顕著な2ケのピ-クを見いだした。しかも液体窒素温度での照射強度にたいしてそれぞれのピ-クは異なる挙動を示した。これを解析して逐次反応方程式を仮定し、連立微分方程式をたててそれらの挙動が統一的に解釈できることを見いだした。この結果の詳細をMadridで1989年10月開催された軟磁性国際会議で発表した。 2.YIG(Ga)単結晶における白色光誘導効果 上記の単結晶と異なり、Gaを0.0625mol添加したYIG単結晶では虚部の2ケではなく3ケの顕著なピ-クを見いだした。(このような添加によって機械的強度が増加する。)それぞれのピ-クに対応する活性化エネルギ-を計算し、かつ上記での連立微分方程式に1行微分方程式を加えることによりこの場合も説明出来ることを明らかにした。この結果の一部は1989年11月、日本応用磁気学会で発表した。さらに論文作製中である。 以上のような結果を得ることが出来たが、いまだそのミクロな物理的原因については数々のモデルをたてて検討中の段階である。
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