本研究の目的は、高い測定効率を持つと予想される分光映像計測システムの一つを開発し、その信号対雑音比、空間分解能、スペクトル分解能等の主要性能の限界を理論と実験によって明らかにすることにより、本システムの有用性および応用範囲を明確にし、実用システム開発のための新たな知見を得ることである。 本研究の欠席の概要は以下のとうりである。 1.小型フ-リエ分光器と顕微鏡対物レンズを組合わせ、結像面における干渉信号をダイオ-ド・アレ-を用いて検出する微小物体向けの分光映像計測システムについて、信号対雑音比等の主要性能を理論的に解析し、適切な性能評価基準を作り出した。 2.様々な条件下で従来の分光映像システムと本システムとの数値計算による比較検討を行った。 3.最も望ましいモデルに対応する光学系および機械系を設計・試作し、基本的な対象について測定実験を行い、理論との比較を行った。また、実際に白色光によって照明された物体(人形)について分光画像の再生実験を行い高品位の再生像を得ることができた。 4.以上の研究の結果、主要性能、特に信号対雑音比と測定時間に関する理論と実験の一致を確認し、本手法の基本的な有用性を確認するとともに応用範囲等にたいする新たな知見を得た。中でも、検出器ノイズが優勢な場合、本手法の測定効率が他の方法ひ比べて格段によいことが明らかになったことは実用上極めて重要である。
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