研究課題/領域番号 |
01550060
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
原田 昭治 九州工業大学, 工学部・設計生産工学科, 教授 (80029199)
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研究分担者 |
福島 良博 九州工業大学, 工学部・設計生産工学科, 助手 (40156774)
秋庭 義明 九州工業大学, 工学部・設計生産工学科, 講師 (00212431)
野田 尚昭 九州工業大学, 工学部・設計生産工学科, 助教授 (40172796)
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キーワード | 低サイクル疲労 / 球状黒鉛鋳鉄 / オ-ステンパ処理 / 基地組織 / 疲労き裂発生・伝ぱ / き裂開口変位 |
研究概要 |
本研究は高強度・高じん性を有するオ-ステンパ球状黒鉛鋳鉄の強度評価に関するものである。球状黒鉛鋳鉄は黒鉛と基地組織からなる複合材料であり、その強度は微視組織に強く影響されるものと考えられる。そこで本年度は、特に低サイクル疲労強度に焦点を絞り、基地組織をフェライト(FDI)、パ-ライト(PDI)、ベイナイト(ADI)に調整した材料を用いて検討した。得られた主な結果を以下に要約する。 (1)画像処理装置を援用して黒鉛分布を測定したところ、いずれの材料も3母数のWeibull分布で近似可能であった。 (2)引張強さ、硬さ、ヤング率はFDI、PDI、ADIの順に大きく、伸びに関してはADIが最も高延性を示した。 (3)低サイクル疲労においては、いずれの材料も繰返し硬化挙動を示し、負荷条件によらず寿命の20〜30%で飽和した。 (4)各材料に対してそれぞれ応力制御、ひずみ制御試験を行った結果、いずれの材料においてもManson-Coffin則が適用可能で、両試験法による差異はほとんど認められなかった。 (5)伝ぱ速度をJ積分幅△Jで整理した場合、いずれの材料においても応力依存性が認められ、同一の△Jで比較したとき、高応力ほど高伝ぱ速度となった。このことは、き裂伝ぱに対してき裂閉口が重要な役割を果たしていることを示唆している。 (6)き裂伝ぱに及ぼすき裂閉口の影響を明らかにするため、微小き裂の開口変位を高精度に測定するレ-ザ干渉変位計を試作した。ひずみゲ-ジとの比較においてt分布の95%信頼限界は、変位に換算して±6.0^<**>10^<-4>μmであった。
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