研究概要 |
セラミックスの破壊挙動を室温ー1200℃の温度範囲で詳細に観察した。又この結果に基づいて,セラミックスのプロセスゾ-ン寸法破壊基準を提案した。その結果,セラミックスの破壊特性に関する次の事項を定量的に解明するコとができた。 (1)同一材料を用いて,平滑材の破壊応力б_FとK_<IC>の統計的性質を調査した。 その結果,б_FもK_<IC>も共に2母数ワイブル分布に従うものの,形状母頭αはб_Fの方がK_<IC>のそれより相当大きい事が判明した。 (2)室温〜1200℃の範囲での室化けい素の強度特性は、温度の上昇につれてб_Fが若干低下し,その逆にK_<IC>が若干上昇する事が判明した。 (3)微小欠陥を有するセラミックスの強度特性は線形破壊力学では評価不能であり,いわゆる微小き裂特性を示した。この様な破壊応力の欠陥寸法依存性は試験温度範囲によらず、筆者らが提案したプロセスゾ-ン寸法破壊基準で合理的に説明できることが判明した。さらに5種類のセラミックスに関する既住のデ-タを収集解析したところ,いずれの強度特性も上記プロセスゾ-ン寸法破壊基準で合理的に説明できることが判明した。 (4)プロセスゾ-ン寸法破壊基準を切欠材に適用する方法を開発した。その結果,3種類のセラミックスの破壊じん性値の切欠先端半径依存性を定量的に説明することができた。 (5)プロセスゾ-ン寸法破壊基準に基づいて,確率を考慮した破壊評価線図を提案した。これにより,セラジックスの信頼性を線形破壊力学を用いて簡便かつ保守的に評価できることが判明した。
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