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1989 年度 実績報告書

β型チタン合金の水素脆性挙動

研究課題

研究課題/領域番号 01550077
研究機関上智大学

研究代表者

野末 章  上智大学, 理工学部, 助教授 (80146802)

研究分担者 鈴木 啓史  上智大学, 理工学部, 助手 (30154579)
白砂 洋志夫  上智大学, 理工学部, 助手 (90053652)
キーワードチタン合金 / 水素脆性 / 破壊靱性 / ゾ-ンシ-ルディング
研究概要

本年度はTiー17合金を中心に研究を実施し、以下の事を明らかにした。最初に、本合金をβ単相域から炉冷を行い、平衡組織を作製し、平衡状態におけるα相とβ相の量の推定を試みた。その結果、880℃材では時効により、α相を50%まで析出可能で、810℃材では初析α相を約30%、析出α相は20%まで析出可能であり、母相のβ相はそれぞれ約50%であることが分かった。水素添加後の固溶水素の放出温度としては、時効組織を変化させないこと、及び析出α相内の水素化合物の分解を防止するために400℃を上限とした。880℃材、810℃材の普通の状態での5%オフセット値K_Qはそれぞれ32MPa√<m>、28MPa√<m>となった。両者のK_Qの差は強度と破壊形態の差によるものと思われる。この材料に陰極電解法により水素を添加すると、K_Qは約20%低下し、それぞれ26MPa√<m>、20MPa√<m>となった。この水素添加状態でX線回折を実施した。母相に固溶した思われる水素により、β相のピ-クの位置は低角側に移動した。一方、α相のピ-クの位置は殆ど変化なかった。β単相で水素脆性を起こしていることから、この水素脆化は主にβ相の格子脆化によるものと思われる。次に真空中で高音に保持することにより、析出α相中に水素化物を残しながら、β相中の固溶水素を放出した。このような状態を、水素量の分析、X線回折等より確認している。β相である母相内にα相が微細に析出している880℃材では、固溶水素の放出により普通の状態より、K_<IC>は約20%上昇した。これは析出α相中の水素化物の微細な割れによる応力緩和、すなわちZone ShieldingによるK_<IC>の増加と思われる。来年度は、このZone Shieldingの存在を検討すべく、AEの測定、き裂進展途中の断面観察等を行い、次に810℃材、15ー3合金についても同様な実験を行う予定である。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2015-06-03  

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