研究課題/領域番号 |
01550116
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保 愛三 京都大学, 工学部, 助教授 (10027899)
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研究分担者 |
藤尾 博重 京都大学, 工学部, 助手 (90026097)
垣野 義昭 京都大学, 工学部, 教授 (00026204)
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キーワード | Hard Finishing / Grinding / CBN Grinding / Gear quality |
研究概要 |
浸炭焼入れ鋼の円盤状試験片の外周を、種々の滑り・転がり速度の条件の下で電着CBN皿形砥石に押し付ける定圧極微小量平面研削実験を行い、押しつけ圧力・研削速度(滑り速度)・転がり研削量のあいだの関係を実験的に求めた。極めて遅い研削速度の下での定圧極微小量平面研削に於いては、比研削量(研削量/被加工物が砥石をこすった距離)は、(1)研削速度には依存せず、(2)押しつけ圧力に比例し、(3)転がり速度が増加するほど増加するという、通常の研削加工の場合と異なる挙動が明らかとなった。代表的なCBN創成研削加工法である歯車形CBN電着砥石による焼入れ歯車の仕上げ研削加工について、開発したシミュレ-ションプログラムにこの結果を用い、歯車形CBN砥石の形状精度や加工条件により、加工工程中に歯車形CBN砥石にどのような力が働くのか、仕上げ加工された歯車の製作精度はどのようになるのかを検討した。また、歯車形CBN砥石ならびに浸炭焼入れ被削試験歯車を製作し、研削加工実験を行った。シミュレ-ション結果と実験結果は、被加工物の研削取り代等についてかなり良い一致を見たが、ミクロンオ-ダ-の歯面形状精度については、対応に若干の相異が認められた。この主たる原因は、CBN砥粒電着後の歯車形砥石の形状精度の測定が不可能であるため、実際の砥石形状精度が正確につかめなかったこと、実験に用いた研削盤自体の剛性やバックラッシュに若干の問題があったことにあると考えられる。しかし、焼入れ後の被研削歯車の取り代が熱処理歪のために局部的に大きくなるところでは、CBN砥粒の損傷が容易に起こるような研削圧力になることが明らかになるなど、加工条件の設定について有用な知見が得られた。
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