研究課題/領域番号 |
01550120
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 輝夫 九州大学, 工学部, 教授 (90091347)
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研究分担者 |
緒方 公介 九州大学, 医学部, 講師 (40136437)
大月 伸男 九州大学, 教養部, 助教授 (60127991)
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キーワード | 人工膝関節 / バイオトライボロジ- / 最適設計 / 関節シミュレ-タ / 3次元曲面解析 / 人工軟骨 / バイオメカニクス / バイオマテリアル |
研究概要 |
人工膝関節の最適設計をめざして、計画の基礎的段階を確立しつつある。 1.3次元接触状態の解析 人工関節の運動時の接触状態の空間的・時間的変化を観察するために、光学的な可視化観測を試みた。人工関節材としてのポリウレタン球面モデルと透明材とのスクイズ試験および滑り接触試験について潤滑液中にアルミニウム粉末を混入することにより、潤滑膜プロフィルと混合潤滑下の接触部位を半定量的に計測することができた。また、生体膝形状及び運動解析に基づいて試作(九大医学部整形外科と共同開発)した人工膝関節や現存の人工膝関節について、3次元曲面形状解析法を適用するために、3次元形状デ-タ自動入力法の開発を試みつつある。 2.膝関節シミュレ-タ試験 申請者らが既に独自に開発した関節シミュレ-タにより、歩行時の関節力と屈曲運動を再現し、実際の運動時における人工関節の運動性能や摩擦特性を評価した。導電性材料を用いた接触電気抵抗法の適用や大腿側駆動軸におけるトルク変動測定に基づき、歩行条件下の人工膝関節における平均的な潤滑膜形成や接触状態の変化を評価し、人工関節の形状、弾性率や潤滑液粘度について最適条件を把握しつつある。 3.臨床適用における最適置換法 上記の手法により試作改良した人工膝関節の臨床適用を実現するために、確実で容易に実行できる骨切除法、アライメント決定法、セメントレス固定法について、治具の開発を含めて人工関節の最適置換法を検討している。 4.今後の展望 また、各種人工関節材料の滑り接触試験により、摩擦摩耗特性を評価し、新材料の適用も検討しつつあり、以上の諸成果を今後の設計改良に反映させ、本研究を進める。
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