研究課題/領域番号 |
01550131
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井小萩 利明 東北大学, 工学部, 助教授 (90091652)
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研究分担者 |
大宮司 久明 東北大学, 工学部, 教授 (70005239)
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キーワード | 数値流体力学 / 非圧縮粘性流れ / ナビエ・スト-クス方程式 / 差分解法 / 一般曲線座標系 / 反変速度 / 上流差分法 / 高レイノルズ数流れ |
研究概要 |
最終目標である三次元非圧縮粘性流れの効率的差分解法の完成をめざして、本年度は曲線座標格子を用いた二次元流れの差分スキ-ムの開発を行った。まず、複雑形状の流れ場の境界条件を精度良く取り扱うため、基礎方程式のナビエ・スト-クス方程式を一般曲線座標系に拡張し、未知変数の反変速度と圧力を別々の格子点に定義する食違い格子に部分段階法あるいはSMAC法と△形式近似因子化法を適用して、連続の条件を恒等的に満足しSpurious誤差の発生を完全に取り除いた陽的な定常スキ-ムを提案した。ついで、計算効率を高めるため、台形則を選択的に適用した陰的SMACスキ-ムを確率した。二次元後方ステップ流れの数値シミュレ-ションより、陰的スキ-ムは陽的スキ-ムに比べてク-ラン数が1桁も大きくとれCPU時間で4倍も加速性のある高効率で安定なものであることが検証された。また、再付着長さや壁面せん断応力分布に対いする既存の実験および計算結果と比較し、本スキ-ムの精度および収束性が吟味され、本スキ-ムは十分な精度を有することが実証された。なお、高レイノルズ数流れに対しては、修正QUICKスキ-ムあるいはTVDスキ-ムの上流差分を適用することにより、解の安定化がはかられた。さらに、上記陰的スキ-ムにニュ-トン反復法を適用した非定常陰的スキ-ムへの拡張を行い、二次元翼列流れの非定常シミュレ-ションを行った。翼負圧面および圧力面からの巻き込みによって生じた渦列の後流中への周期的放出過程が動画化された。以上のように、本年度の研究は計画通り実施され、効率的二次元定常ならびに非定常差分スキ-ムが開発された。 現在、次年度の目標である三次元差分スキ-ムの研究が一部着手され、そのコ-ド化がはかられている。これにより、複雑なタ-ボ機械内部流れの解析が期待される。
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