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本研究では、はじめに、電気ー油圧サ-ボシステムを制御対象として連続時間領域の適応制御則を導出した。さらに、乗算などの非線形演算を含む適応制御系の過渡的挙動を線形近似により解析し、適応制御開始直後の過渡応答と密接に関係したパラメ-タを抽出して、設計に利用する手法を示した。得られた設計手法をもとに、適応制御器設計用CADプログラムを、平成元年度に購入したパ-ソナルコンピュ-タ上で製作した。CADプログラムは、適応制御器内の各信号の過渡的変化を検討するため、制御系の過渡応答の数値シミュレ-ション計算を主体とするプログラムとなった。そして、本CADプログラムを有効に利用することにより、アナログ適応制御器の設計が行えることを示し、実際にアナログ乗算器やオペアンプなどを用いて適応制御器の電子回路を製作した。さらに、平成2年度に高応答形サ-ボバルブを購入し、高速な応答性を有する電気ー油圧サ-ボ機構を製作した。このサ-ボ機構と、平成元年度に製作したアナログ適応制御器を組み合わせて、適応制御の実験を行った。実験では、平成2年度に購入した関数波発生器より発生させたさまざまな周波数の正弦波や方形波を指令信号として、適応制御系の応答性を検討した。その結果、80Hzもの比較的高い周波数の正弦波に対しても良好な制御結果が得られることが確かめられた。このような高い応答性は、離散時間領域の適応制御手法では実現が容易ではなく、本研究で提案したアナログ適応制御器を利用した連続時間適応制御手法の有効性を示すものである。以上の研究により、アナログ適応制御器の設計手法が示去れ、アナログ電子回路で実現した適応制御器を用いる手法の有効性が実験的に明らかにされ、本研究課題の目的が達成されたものと考えられる。
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