外向き旋回流れは、正の圧力こう配に抗して流れるために、境界層の成長が大ではく離や旋回失速を生じ易い。したがってタ-ボ機械の内部流れは、空間的あるいは時間的な非軸対称流れに移行し易く、大きな損失を生じるばかりでなく、振動・騒音を引起こし運動不能にさえなる。 本研究は、上記の様な外向き旋回流れの中に、微小な撹乱を加えたとき、それが半径方向に成長あるいは消滅する限界と、外向き旋回流れ自体の安定限界に及ぼす影響を解明することを目的として、遠心羽根車によりつくられた外向き旋回流れを用いて、平行壁ディフュ-ザ内で円柱後流と干渉した流れが半径方向にどの様に変化するかを、理論的および実験的に研究したものである。 理論的には、積分法を用いて非軸対称流れを数値解析し、旋回再度を0°から90°まで広範囲に変化させたときの圧力分布及び速度分布の半径方向への変化を明らかにした。これらの結果は以下の実験結果と、定性的にも定量的にも良好に一致することが判明した。 本研究結果によれば、非軸対称撹乱の変化には、(1)旋回角20°以下では撹乱が消滅するパタ-ン、(2)旋回角30°〜40°で撹乱が成長し、非軸対称性の強い流れになるパタ-ン、および(3)旋回角50°以上で、一定のひずみが残るパタ-ンの3種類の流動様式があることが判明した。(1)のパタ-ンは旋回失速が発生して流れが一様化されてしまうことが原因であり、また(2)では撹乱が成長して、局所はく離を生じ正流域と逆流域が混在するようになる。(3)のパタ-ンは、後流が減衰することなく、一定のひずみを保ち、それ以外の部分では軸対称な流れとなる。以上の結果は、非軸対称な撹乱が、流れ角が小なる程半径方向に成長し易いことを表し、流れ角【less than or equal】20°では旋回失速による流れの混合作用によって逆に一様化されてしまうものと
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