研究課題/領域番号 |
01550168
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
加藤 豊文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70015056)
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研究分担者 |
柏木 孝夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (10092545)
鎌田 佳伸 東京農工大学, 工学部, 助手 (40015045)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 流動性氷 / 界面活性剤 / W / O型エマルジョン / ホログラフィ実時間干渉法 / 管内凍結 / 管外凍結 / 自然対流 |
研究概要 |
1.流動性を有する氷の生成 乳化、可溶化に関する研究の現状をふまえて、本研究では、油、水、界面活性剤混合液によるW/O型乳化液の生成を試みた。油は物理的に安定なシリコン油を、また界面活性剤としてはH.L.B値の異なるものを三種類用い、混合比を種々変化させ、同時乳化法による乳化実験を行った。その結果、常温では安定した乳化液が得られたが、低温では全ての乳化液が混合凍結あるいは分離凍結した。この結果をふまえ、低温域での安定剤としてエチレングリコ-ルを添加して実験を行い、得られた乳化液の粘度ならびに温度特性を調べた。その結果、界面活性剤と安定剤の最良の選択によっては、流動性を有し、かつ潜熱を十分利用し得る乳化液が生成可能であることが判明した。 2.円管内の蒸留水の凍結挙動 一方、乳化実験と平行して、管内蒸留水の凍結挙動に関する実験を行い、そのときの温度場、流れ場の変化をを実時間ホログラフィ干渉法およびトレ-サ法による流れの可視化によって実験的に検討した。また、数値解析も行い、実験と比較した。その結果、冷却速度の相違により凍結パタ-ンが3種に大別されること、冷却速度が大きい場合過冷却解除のトリガ-となる壁近傍での自然対流が強く、比較的高い温度で過冷却が解除されること、冷却速度が小さい場合冷却過程の後半で熱伝達が向上する傾向があり、長時間液相を維持するので熱伝達の観点からは冷却速度が小さい方が優位であること、等を明らかにした。 3.円管外の水の凍結挙動 さらに、管外生成型氷蓄熱装置をモデルにとり、冷却管を鉛直2列の水平管とし、冷却速度や冷却管距離をパラメ-タにとって、温度場、流れ場および凍結挙動について実験的に研究した。冷却速度が大きい場合、流れ場は常に下向きである。冷却速度が小さい場合、冷却開始直後は下向きの自然対流が生じるが、その後水の密度反転に伴い流れ場は逆転し、上向きに対流する。このときの対流は不安定で左右に揺動する。また、冷却速度が大きい場合、過冷却解除の際の冷却管近傍と周囲との温度差が大きく、凍結は下側の冷却管から開始される。それに反して冷却速度が小さい場合、過冷却解除時のテストセクション内の温度はほぼ等しく、凍結は上下の冷却管でる。 今後、より良い流動性氷を生成するためには、多種の油、界面活性剤について水との混合溶液をつくり、低温域で安定な乳化液を作ることや、たんぱく質系の添加によりたんぱく質が低温で水分を取り込む性質を利用する方法を試みる必要がある。
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