本年度研究にしたがって、軸流タ-ビン型過給機(IHI-VTR161型)を試供体として、負荷部分に相当する圧縮機のインペラ-を除去し、無負荷運転が可能なように改良した。翼端隙間の可変を考慮し、7種類の内径のアクリル製シュラウドを制作し、以下の実験を行い、所定の成果を得た。シュラウド部の局所熱伝達率を薄膜法(ステンレス箔)により、回転数を2000〜14000(rpm)、翼端隙間を0.15〜1.38(mm)と変化させて測定した。またシュラウド面の静圧部分の測定および翼終端において5孔ピト-管にて速度分布を測定した。油膜法によるシュラウド面上の流れの可視化観察を行った。以下に得られた結果を要約する。 (1)回転数と翼端隙間に関係なく、局所熱伝達率はノズル後緑より単調に減少していき、翼対抗中央付近で上昇に転じ翼後端で極大値をとる。その後再び減少して流出前に再度上昇する。 (2)熱伝達率は、回転数の増加と翼端隙間の減少と共に増大する。 (3)翼に対抗した面の平均熱伝達率はレイノルズ数Reの指数関数で整理できる。 (4)壁面静圧分布は、回転数によらず、熱伝達率分布で見られた極大値の位置で、すなわち翼後端付近で急激に減少する。 (5)5孔ピト-管による半径方向速度分布の測定より、得られた値は速度3角形で得られたものと一致する。速度分布は、熱伝達率の極大値の位置で加速流になっている。
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