研究課題/領域番号 |
01550183
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 昭比古 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20128036)
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研究分担者 |
鳥居 修一 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30180201)
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キーワード | ストカスティックモデル / 固気二相流 / k-εモデル / 乱流 / レイノルズ応力モデル / 粒子 / 噴流 / エロ-ジョン |
研究概要 |
流体中に粒子状物質を含む流れを単相流の場合と同じように数値解析する手法を確立するため、ストカスティックモデルの開発を行なった。 1.ストカスティックモデルの基礎となる乱流モデルとしてk-εモデルを選び、とくに低いレイノルズ数領域で威力を発揮するようにモデル定数を改良して管内流の加熱層流化現象の再現に成功した。 2.上記のk-εモデルを用いて円管内固気二相流の解析を行なった。その際、粒子による乱流構造の変化と粒子と壁との不規則反発の双方を組込んだが、管内流の圧力損失をよく再現できなかった。そこで、上記の2つの効果を同時に解決する事を狙った結果整備すべき経験定数の数が過剰になった点を反省し、一旦解析の対象を円形自由噴流に切換えた。 3.自由噴流の解析では、k-εモデルのかわりに代数方程式によるレイノルズ応力モデルを採用してより精緻な解析に対処できるようにし、両相の平均速度差に基づく各応力成分の付加的な生成・消滅を表現できるソ-スタ-ムを加えた。その結果、噴流の平均速度分布、粒子数密度分布、噴流の広がり幅、非等方性の減衰を含む乱流構造の変化を的確に再現する事に成功した。 4.上記のモデルを用いて衝突噴流の伝熱流動の解析をおこなった。その結果、粒子の混入に依る熱伝達係数の増加をある程度再現する事に成功した。またその結果から伝熱面のエロ-ジョンを数値解析によって再現する可能性のある事に着目して、衝突噴流に依るエロ-ジョンの系統的な測定を行なった。 次年度は、今一つの大きな課題、すなわち粒子による壁近傍の乱流構造の変化と壁-粒子間の不規則反発のモデル化を完成させて、汎用性と信頼性を持ち伝熱流動の解析に有効なストカスティックモデルを完成させる計画である。
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