研究課題/領域番号 |
01550186
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
増岡 隆士 九州工業大学, 工学部, 教授 (30039101)
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研究分担者 |
谷川 洋文 九州工業大学, 工学部, 助手 (80197524)
鶴田 隆治 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30172068)
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キーワード | 自然対流 / 熱スクリ-ン / 対流の抑制・促進 / 熱抽出 / 対流パタ-ン / エントロピ生成 / 伝熱特性 / 有効エネルギ |
研究概要 |
1.下から加熱された水平流体層(加熱・冷却壁とも個体壁)内に設置された熱スクリ-ンが全層を通じる対流パタ-ンに及ぼす影響の実験的検討を行った。当初計画の大きさの容器は影絵法による観察に用い、感温液晶による可視化実験にはより小型の容器による実験を行った。 2.観察結果によれば、熱スクリ-ンを中央位置付近に置くとき、スクリ-ンの水平温度分布を一様化する作用のため、対流発生の限界レイリ数を上昇させる、すなわち対流を抑制する効果が大きいこと、またスクリ-ン温度レベルによっては対流をスクリ-ンの上方あるいは下方に局所化する作用あるいは局所的に対流を促進する作用があることが認められた。また、同時にスクリ-ンの熱抽出作用のため、スクリ-ン上層と下層とで温度差が大きくなり、一方の層からの密度の大きく異なる流体の流入効果は、もう一方の層の対流と干渉し、その水平波長を変更させようとし、対流の不安定化をもたらす場合もあることが観察された。 3.以上のような観察結果に対し、大型計算機による対流パタ-ンの詳細数値解析と併せて、パ-ソナルコンピュ-タを用い、非定常温度変化、熱伝達変化、エントロピ生成の変化の解析を行った。 4.二次元非定常数値解析の結果は、実験において観察された対流抑制の作用、スクリ-ン位置、その温度レベルに応じてどの程度対流発生の限界レイリ数が上昇するかを示し、また対流を生じた場合、熱スクリ-ンによる抽出熱量が内部対流に影響されること、抽出熱流束のレイリ数による変化を明らかにし、またこれに付随して、層内エントロピ生成したがって有効エネルギの不可逆損失への対流の影響の程度を示してる。 以上の実験および解析は熱スクリ-ンの局所効果が層全体を通じる対流様式、温度場に大きな影響を及ぼすことを示している。
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