研究概要 |
本研究では,手動制御系における定型的作業を自動化することを目標として,作業に熟練している人間オペレ-タの操作入力をコンピュ-タに記憶し,それを実時間で再生して用いるプレイバック方式に関する基礎的研究を行い,以下のような成果を得た. 1.プレイバック方式を効果的に用いるためには,人間オペレ-タによる操作が容易に行える基本制御系を構成することが極めて重要である.このような基本制御系の設計を効率的に行うために,'不等式制約法'に基づく制御系設計CADシステムを開発した.このCADシステムは,設計者が与える時間領域および周波数領域における設計仕様を満足するコントロ-ラパラメ-タを自動的に見い出すものである.いくつかの系に対して設計を行い,このCADシステムの有効性を確認した. 2.人間オペレ-タがジョイスティックを操作し,試行と修正を行うことにより,望ましい制御入力を効率的に生成することができる'実時間作業数教示法'を提案した.さらに,目標位置あるいは目標速度の部分的修正により,高精度の軌道追従を達成する方法を提案した.4自由度小型ロボットを制御対象として実験を行い,提案した方法の有効性を確認した. 3.4自由度小型ロボットを1軸台車に取り付け,人間オペレ-タが2台のジョイステックにより操作する5自由度のサ-ボ系を構成し実験を行い,より複雑な系に対する'実時間作業教示法'の有効性を実証した.
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