宇宙用マニピュレ-タの知的自動化について、弾性を考慮したマニピュレ-タの動力学と、マニピュレ-タを含む環境の幾何学モデルをコンピュ-タ上にインプリメントした。 具体的には、動力学について、宇宙で利用が計画されている実際のマニピュレ-タは、すでにわれわれが指摘したような静的なたわみのみによって十分モデル化できるものであることを実験によって再確認した。また、このような系では歪みのフィ-ドバック制御が有効であることも再確認できた。 次に、宇宙でマニピュレ-タが扱うものは全て人工物で、マニピュレ-タに都合のよいように設計できる点に着目して、マニピュレ-タを含む環境のモデル化を考えた。このモデル化についてはCADで用いられる幾何学モデルを計算機上にSmalltalkを使ってインプリメントした。この際、Smalltalk自体の構造がPascal言語の持つデ-タ型と知識表現方法としてのFrameの特徴を合わせ持つオブジェクト指向言語で知識構造のプロトタイプをつくるのに最適の言語であった。 現在計画されている宇宙用ロボットは第一世代と呼ばれ、マスタ・スレ-ブ方式のものであるが、第二世代の宇宙用ロボットはテレロボティクスという言葉に代表されるようにある程度の自律性を持ったものになる。本研究は今後この方向に向かってさらに発展するものである。
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