研究課題/領域番号 |
01550217
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
深尾 正 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016545)
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研究分担者 |
松井 幹彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (30143689)
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キーワード | 高周波配電 / サイクロコンバ-タ / 循環電流 / 自然転流 / 他励転流 / フィ-ドフォワ-ド制御 / 非干渉制御 / ディジタル・シミュレ-ション |
研究概要 |
本研究では、ビルや工場、プラントなど大電力を消費する区域の配電系統の一部を400〜800Hz程度に高周波化して商用系統と分離することにより、負荷の発生する障害電力の一括処理を図ると共に、高周波配電系統にコジェネ発電機やエネルギ-貯蔵装置を組み合わせて、受電電力の平準化を図ったシステムを提案した。大口受電ビルの電気設備実情調査および主変換装置の制御方式に関して検討を行ない、以下の成果を得た。 (1)最近の超高層ビル、インテリジェントビルなどの大口受電ビルにおける受電容量、電力使用内訳などを調査し、これらの配電系統を高周波化する場合に変換装置に要求される規模を明らかにした。また、現在開発を進めている他励サイクロコンバ-タ方式を他のインバ-タ方式などと比較・評価した。 (2)他励サイクロコンバ-タ方式の高周波側電圧・周波数の安定化について検討した結果、 (1)負荷の消費電力検出法として、代表者らが提案した瞬時空間ベクトル理論に基づく三相一括電力検出方式を採用し、負荷電力のフィ-ドフォワ-ド制御系を構成した。すなわち、サイクロコンバ-タ自身の循環電流と電源側電流を制御し、負荷の要求する電力を速やかに供給するシステムを実現した。 (2)制御の対象となる循環電流形他励サイクロコンバ-タの過渡現象解析のため、連続系近似によるシミュレ-ションプログラムを開発し、試作装置による実測波形との比較により妥当性を確認した。 (3)本装置を現代制御理論の観点から可変パラメ-タの2入力2出力系とみなし、出力電圧の安定化に関して上記のシミュレ-ションプログラムを用いて非干渉制御、デッドビ-ト制御、スライディングモ-ド制御などの手法の適用の可能性について基礎的な検討を行ない、見通しを得た。
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