研究課題/領域番号 |
01550218
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
難波江 章 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10115115)
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研究分担者 |
小笠原 悟司 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (40160733)
赤木 泰文 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80126466)
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キーワード | LCフィルタ / 電力用能動フィルタ / 高調波抑制 / 系統インピ-ダンス / 高調波拡大現象 / 反共振 / 電力用アクティブフィルタ |
研究概要 |
従来、送配電系統の高調波対策としてはLCフィルタが多く採用されてきた。しかし、LCフィルタの定数によっては系統インピ-ダンスとの並列共振回路を構成し、高調波が増大するという欠点がある。一方、次世代の高調波抑制装置として有望視されている電力用能動フィルタはLCフィルタの問題点をすべて解決できる反面、初期コストや運転コストに問題がある。 本研究は、こうしたLCフィルタと電力用能動フィルタの問題点を同時に解決できる新しい原理に基づく高調波抑制装置の開発を目的としている。これはLCフィルタに小容量の電力用能動フィルタを直列に接続した主回路構成とその制御法に特長がある。実験は、20kVAのサイリスタ整流回路が発生する5次、7次、11次、13次、…の高調波を補償対象とし、10kVAのLCフィルタ(5次、7次、ハイパス)と0.3kVAの電力用能動フィルタ(主回路はパワ-MOSFETを用いた三相電圧形PWMインバ-タ)を設計・製作し、その有効性を確認した。 本研究で得られた成果は以下のとおりである。 1.本方式は以下のような優れた特長を有することを実験により確認した。 (1)補償特性は系統インピ-ダンスの影響を受けない。 (2)系統とLCフィルタの間の反共振を抑制することができる。 (3)上位系統からLCフィルタへ高調波電流が流入することを阻止できる。 2.LCフィルタの最適設計を行ない、従来の設計理論に基づくLCフィルタを使用した場合に比べて、電力用能動フィルタの容量を60%程度に低減できることをディジタルシミュレ-ションにより確認した。
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