研究課題/領域番号 |
01550236
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
馬場 守 岩手大学, 工学部, 助教授 (20111239)
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研究分担者 |
柴田 清孝 青森職業訓練短期大学校, 教導 (40187399)
池田 俊夫 岩手大学, 工学部, 教授 (80005230)
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キーワード | 黒リン / ナロ-ギャップ半導体 / 半導体物性 / 光導電 / 赤外線検出器 / 磁気抵抗効果 / 2次元アンダ-ソン局在 |
研究概要 |
1.新たに開発した。全閉管型ビスマスフラックス法で黒リン単結晶の作成を行った。この方法では、同一閉管内で高純度リンを白リンに変換し、引き続いて黒リン結晶を育成する。そのため、反応性の高い白リンから安全にかつ高純度のままで黒リン結晶を得ることができる。Teのド-ピングにはまだ成功しておらず、今後の検討が必要である。 2.黒リンの低温での磁気抵抗効果を調べた。非輻射再結合にともなう磁気抵抗の量子振動の観測には成功していないが、二次元アンダ-ソン局在による負の磁気抵抗効果を新たに見い出した。今後、表面二次元層の存在と光導電特性との関連を検討することは重要である。 3.黒リンの光導電を可視域から波長2μmまでの範囲で調べ、広範囲の波長域(500nm〜2μm)で光導電に対する良好な光感度をはじめて観測した。また、光強度に対する線形応答や、光導電が光吸収の偏光特性に対応して黒リン結晶面に対する偏光に選択的に応答することを見い出した。今後、新しく購入した赤外分光器を用いて、基礎吸収端(〜4μm)までの長波長域での光導電を調べる予定である。 4.半導体レ-ザ(890nm)によるパルス励起によって黒リンの光導電の時間応答を調べ、-150℃で減衰時間が0.5μsと赤外線検出器としては比較的高速の時間応答特性を得た。今後、時間応答の温度依存性を調べ、光導電機構の解明に供したい。
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