研究課題/領域番号 |
01550240
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
木村 忠正 電気通信大学, 電気通信学部・電子工学科, 教授 (50017365)
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研究分担者 |
湯郷 成美 電気通信大学, 電気通信学部・電子工学科, 助手 (80017392)
河野 勝泰 電気通信大学, 電気通信学部・電子工学科, 助教授 (90017418)
中田 良平 電気通信大学, 電気通信学部・電子工学科, 教授 (10017353)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 希土類元素 / エルビウム / 4f内殻電子遷移発光 / 電子衝突励起 / エネルギ-移行効率 / 螢光効率 |
研究概要 |
本科学研究費補助金を受けた3年間の研究で、先ず特筆すべきことは、InP中にイオン打ち込み法でド-プしたEr^<3+>イオンの4f内殻電子遷移( ^4I_<13/2>→ ^4I_<15/22>)による1.54μmの発光を、電子衝突励起という新しい方法で観測することに成功したことである。従成、IIIーV族化合物半導体、Si半導体中の希土類イオンの発光の研究はすべてフォトルミネセンスまたはpn接合への少数キャリアの注入による母体半導体の電子と正孔の再結合エネルギ-を希土類イオンの4f電子ににトランスファ-するメカニズムで行われてきた。それらの研究での問題点は、レ-ザ発振させるには小さな発光効率、高温での温度消光、エネルギ-トランスファ-メカニスムおよび温度消光などに関係する非発光遷移メカニズムが解明されていないことにあった。我々が観測に成功したInP化合物半導体にド-プした希土類元素の一つであるEr^<3+>イオンの4f電子遷移の電子衝突励起による発光は、発光スペクトル、温度特性などフォトルミネセンス特性とは本質的に異なる点があり、両者を比較した本研究は、結晶半導体の希土類イオンの発光メカニズムの解明に大きな貢献をした。 具体的には、1).InP中へのイオン打ち込み法によるEr添加プロセス、2).Er添加InPの電子衝突励起発光、3).Erイオンの励起、発光メカニスムの解析、4).発光解率、衝突断面積の評価、を行った。 結論として、InP中に種々の異なったEr^<3+>発光センタ-があり、励起方法により異なったセンタ-が励起され、また、その発光過程に於ける非発光メカニズムも異なることを明らかにした。今後、発光メカニズムをさらに詳細に検討し、発光効率の改善を図ると共に、他の希土類イオン、母材半導体(特にSi)の電子衝突発光を試みる予定である。
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